「既存住宅かし保険」をご存じですか
既存住宅かし保険は、中古住宅売買を行う上で、購入時に見つからなかった隠れた瑕疵による損害を補償する保険です。壁の内側など、目に見えない部分は、住み始めてしばらく経ってから不具合がわかる、といったケースがあります。「そんな時でもどうにかできる」という将来の備えがこの保険です。
売主側の視点と買主側の視点から、メリット・デメリットをご覧いただき、ご検討を進めて頂ければと思います。
「家を買う」方のメリット・デメリット
メリット➊ 加入済=建築士の検査済である安心感
既存住宅かし保険では、保険に加入するにあたり、必ず保険対象住宅の検査を実施します。
建築士が検査を行うことで、一定の品質が担保され、もし検査で不具合が見つかった場合でも、補修して加入要件を満たします。専門家による検査が済んでおり、保険会社という第三者機関によって認定されるため、検査結果にも信頼性があります。
メリット❷ 瑕疵が見つかった場合、トラブルになりにくい
欠陥(瑕疵)が見つかった場合、条件もありますが補修費や損害賠償金は売った側が負う原則があります。これを「瑕疵(かし)担保責任」といいます。 ですが、購入から数年経ってしまうと、売主が転居したり亡くなっていたり、また支払い能力がない場合もあります。
こんな時でも、あらかじめ保険に入っていれば、保険会社を相手に修理・補修費用や調査費、転居・仮住まいにかかる費用の支払いや請求を行うことができます。直接売主側と買主側が連絡を取り合うことがない、という点がポイントです。当事者同士ではなく、保険会社とのやり取りになるため、トラブルにもなりにくいとされています。
メリット❸ 税制優遇の恩恵が得られる
買主側にとっては、住宅ローン控除をはじめ、各種税制の優遇が利用できます。※2024年現在(法改正で今後変更になる可能性あり)
デメリットは?
買主側は費用が掛からないため、デメリットは特に見当たりませんが、安全が担保されている分、物件に価格プレミアムが付加されている可能性があります。
「家を売る」側のメリット・デメリット
メリット➊ クレームとなる原因を売却前に除去できる
既存住宅かし保険に加入すると、売却前に住宅診断と検査が行われるため、仮に物件に瑕疵があった場合でも、売却前に補修するチャンスを設けることができます。これは売却後のクレーム原因を先回りして取り除くことができるメリットになりますし、引き渡し後、入居中に見つかった欠陥は、保険で補修をまかなえるため、追加費用がかからないというメリットがあります。
メリット❷ 売った後のトラブルは、保険会社におまかせ
中古物件を売却した後に心配になるのが、その耐久性です。売却した時点では問題が無くても、それから数年して問題が発覚、クレームや裁判に発展する場合もあります。保険に加入していれば、こういったトラブルは保険会社が窓口になって保険で補修をしてくれます。何年も経ってから、随分前に売却した物件のトラブルに巻き込まれないための安心のためにも、保険加入が一役買ってくれます。
メリット❸ 買い手が見つかりやすい
買う側にとってかし保険加入物件は事前検査・補償対応の面で安心につながります。こういった有利な要素が比較的に早い売却につながります。もし売却したい住宅に、ローン残債がある場合、売却まで時間がかかれば、かかった時間分の住宅ローン支払いが続きます。買い手が早く見つかることで、金銭的な負担を減らすことができます。
デメリット➊ 保険料と検査料が必要
保険加入に伴う諸費用が必要となります。保険加入にあたっては、保険法人や検査機関による検査(インスペクション)が行われます。こういった検査費用・保険料、場合によっては補修費用の負担が必要です。
まとめ
中古物件を購入する際、立地や価格、内装などに目が行きがちですが、忘れずに見て頂きたいのは、家の基本性能です。既存住宅かし保険では、この重要な部分の安心と信頼を担保するので、ご購入時は是非チェックしてみてください。まだまだ普及が進んでいない制度ですが、今後は増えてくるものと推察しています。
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