はじめに
マイホームの購入を考えたとき、多くの人が一度はぶつかるのが「持ち家にするべきか、それとも賃貸を続けるべきか」という問題です。住宅は人生で最も大きな買い物のひとつともいわれるほどの選択であり、その影響は長期間にわたって続きます。
これまでも「生涯コストでは大きな差がない」と言われてきましたが、それでも人によって適した選択は異なります。なぜなら、住宅に関する価値観やライフスタイル、収入や老後の備えの有無によって、感じ方や得失が変わってくるからです。
この記事では、2025年時点での最新住宅事情をふまえつつ、賃貸と持ち家の違いやそれぞれのメリット・デメリット、生涯にかかる費用の比較、ライフスタイルとの相性などを詳しく解説していきます。どちらか一方が正解ということではなく、自分自身にとって納得できる選択ができるよう、具体的な情報をお届けします。
賃貸と持ち家の基本的な違い
まずは、賃貸住宅と持ち家住宅の根本的な違いを整理しておきましょう。
- 賃貸住宅は、家を所有せず、毎月家賃を支払って住み続ける形式です。所有権は大家にあり、住む期間や条件に縛りが少ない一方で、家賃を払い続ける必要があります。
- 持ち家は、土地と建物を購入することで所有者になる形式です。ローンを完済すればその後の住居費用は大きく抑えられる可能性があり、資産として残すことも可能です。
この違いは、費用だけでなく、住まいに対する自由度や老後の安心感にも関わってきます。以下で、より具体的に見ていきましょう。
持ち家のメリット・デメリット
持ち家には「自分のものになる」という明確な安心感があります。しかし、当然のことながら良い点ばかりではありません。実際に購入を検討するうえで理解しておくべき長所と短所を紹介します。
メリット
- 資産になる
持ち家はローン完済後に土地・建物という形で手元に資産が残ります。将来的に売却や賃貸に出すこともできるため、住まい以上の価値を持つ場合もあります。 - 自由にリフォーム・リノベーションができる
間取り変更や壁の色変更なども自由。家族構成やライフスタイルの変化に合わせて住まいを最適化できます。 - 老後の住居費が軽くなる
住宅ローンを定年前に完済できれば、老後に家賃の支払いが不要になります。年金収入のみでも安心して暮らせるというのは、大きなメリットです。 - 他人に貸すことも可能
将来的に転勤や住み替えが発生しても、持ち家を賃貸に出すことで収益化できる可能性があります。
デメリット
- 固定資産税・都市計画税がかかる
所有している以上、毎年の税金負担は避けられません。地域や物件によって税額は大きく異なります。 - 修繕費・メンテナンス費が自己負担
経年劣化による修理・交換費用(屋根、外壁、水回りなど)は自費となります。築10年、20年と経つにつれ、修繕費は増加していきます。 - 住み替えが簡単ではない
気軽に転居したくても、住宅を売却または賃貸に出すなどの手間と時間がかかります。また、地価が下がっていれば売却損を抱えるリスクも。 - 住宅ローンの負担
長期間にわたり毎月ローン返済が発生します。返済不能になれば、最悪の場合は競売になるリスクもあります。
賃貸のメリット・デメリット
賃貸は「気軽に住める」「柔軟に動ける」点が大きな魅力ですが、当然ながらその裏にはデメリットも存在します。ここでは、現役世代から老後にかけての視点も踏まえて、賃貸住宅の利点と注意点を具体的に見ていきましょう。
メリット
- 住み替えがしやすい
転勤や家族構成の変化に合わせて、比較的簡単に引っ越しができます。ライフスタイルに合わせて住環境を変えられるため、都市部に住みたい人や将来的に地元に戻りたいと考える人には大きなメリットです。 - 初期費用が比較的少ない
敷金・礼金・仲介手数料などの初期費用はかかるものの、持ち家のように頭金や諸経費(登記費用、ローン手数料など)を何百万円も用意する必要はありません。 - 固定資産税・修繕費が不要
オーナーが負担するため、入居者が税金や大規模修繕費を支払う必要はありません。想定外の支出が起きにくく、家計管理がしやすい傾向があります。 - 物件設備のトラブルに対して対応が早い
給湯器の不具合や水漏れなども、管理会社や大家が修理対応をしてくれるのが一般的です。トラブルのたびに自分で業者を探す必要はありません。
デメリット
- 家賃を一生払い続ける必要がある
定年後も収入が減っても家賃は変わりません。特に高齢期に入ってからの固定費として家賃が家計を圧迫するリスクがあります。 - 資産として残らない
何十年家賃を支払っても、その物件が自分のものになることはありません。将来子どもに住まいを残すといったことも難しくなります。 - 高齢になると物件が借りにくくなる
70歳を過ぎると、単身者や夫婦であっても入居を断られるケースがあります。家賃の支払い能力に加え、孤独死リスクを懸念するオーナーが多いためです。 - 内装や設備に自由がない
壁に穴を開ける、間取りを変更するといった自由は基本的にありません。長く住んでも自分好みにリノベーションすることはできません。
生涯コストシミュレーションで比較
では実際に、賃貸と持ち家でどれくらい生涯費用に差が出るのでしょうか。ここでは、2025年時点の相場をもとに、仮のモデルケースを設定して比較してみます。
モデルケース:40年間同じ場所に住んだ場合
項目 | 持ち家(新築4,000万円) | 賃貸(家賃14.5万円) |
---|---|---|
住宅ローン返済総額 | 約4,500万円(利息込み) | なし |
固定資産税・保険・修繕費等 | 約1,200万円 | なし |
家賃総額 | なし | 約6,960万円(14.5万×12ヶ月×40年) |
合計 | 約5,700万円 | 約6,960万円 |
※2025年現在の住宅ローン金利(固定1.3%前後)、維持費(年30万円程度)で試算
※持ち家は40年住んだ場合の概算。売却・賃貸収入は考慮していません。
このモデルでは、持ち家の方が約1,200万円ほど費用が抑えられる結果になっています。もちろん、引っ越しの有無、ライフスタイル、物件価格や家賃相場の変動などで結果は大きく変わりますが、「長く同じ場所に住む予定」の方には持ち家が有利になる可能性が高いと言えるでしょう。
ライフスタイル別の最適な選択
賃貸と持ち家、どちらが正解というわけではありません。大切なのは「自分や家族の価値観、働き方、将来設計に合っているかどうか」です。ここでは、いくつかの代表的なライフスタイル別に、どちらが向いているかを見てみましょう。
1. 転勤が多い/ライフステージが流動的な人
持ち家よりも賃貸が向いています。定期的に住み替える必要がある人にとって、購入はリスクが大きいためです。持ち家は「売る」「貸す」という手段もありますが、空室リスクや価格下落、手続きの煩雑さを考えると賃貸のほうが身軽です。
2. 地元に定住するつもりがある人
持ち家との相性が良いといえます。特に子育てを見据えた生活を想定している場合、教育環境や近隣の支援体制も安定して確保できます。長く住む前提で考えるなら、ローン完済後の住居費が安定するのも強みです。
3. 貯蓄に不安がある人
一概には言えませんが、初期費用を抑えられる賃貸の方が選択しやすい傾向にあります。ただし、年を重ねるごとに家賃の支払いが重く感じられるようになることを前提に、老後の備えをどうするかを別途考えておく必要があります。
4. 老後の安心を重視したい人
持ち家が有利です。高齢になると賃貸住宅を借りづらくなることが多く、住まいに困る可能性があります。定年前にローンを完済しておけば、年金生活でも安心して暮らしやすくなります。
2024〜2025年の住宅市場動向
ここで、2025年時点の日本の住宅事情にも触れておきましょう。
- 建築費の高騰
ウッドショックや人件費高騰の影響が続き、新築物件の価格は依然として高い水準にあります。特に首都圏や関東近郊では、注文住宅はもちろん、建売住宅も価格が上昇傾向です。 - 中古住宅の人気増加
新築の価格高騰により、中古住宅やリノベーション済物件のニーズが拡大しています。国も中古流通を促進しており、住宅ローン減税や補助金制度が活用できるケースもあります。 - 空き家問題と税制改正
全国的な空き家増加を背景に、2023年の改正空き家対策特別措置法の運用が始まり、固定資産税の減額対象から除外される空き家も出てきました。これにより、売却や賃貸への活用が求められるようになっています。 - 住宅ローン金利の動向
長期金利の上昇に伴い、2025年は固定型金利がじわじわと上昇傾向です。ただし、変動型金利は日銀の政策次第で大きく動くため、今後の動向には注意が必要です。
まとめ:自分にとって納得できる選択を
「賃貸と持ち家、どっちが得か?」という問いに対して、単純な正解はありません。生涯コストの差が小さくなっている現在だからこそ、重視すべきは「その住宅が自分のライフスタイルや人生設計に合っているかどうか」です。
長く同じ場所で安心して暮らしたいなら持ち家、柔軟に身動きしたいなら賃貸。将来の収入や老後の準備状況も踏まえて検討することが重要です。
フジハウジングでは、持ち家・賃貸それぞれの特性やリスクを理解したスタッフが、お客様一人ひとりの人生設計に寄り添った住まい選びをサポートしています。久喜市を中心に、地域に根ざしたご提案を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
有料noteを今だけ無料プレゼント!
「知って安心!プロが教える 不動産活用大全【埼玉版】」から、
特にマイホーム購入者に人気の高かったテーマを無料公開しています。
・住宅ローン減税・補助金制度の組み合わせ術
・2025年最新版!埼玉で使える市町村独自制度も掲載
・知らないと数百万円損するケースも…
通常有料(1,980円)の限定noteを、今だけ無料プレゼント中!
※メールアドレスをご登録いただいた方にのみ、メールにてお送りします。
有料で読まれる方や試し読みされたい方は、下記サイトにて一部無料公開中!
◎知って楽しい久喜 すまいの相談窓口info とは
「知って楽しい久喜 すまいの相談窓口info」は、久喜市の不動産会社 株式会社フジハウジングが運営する久喜市周辺の情報や住まいに関するあらゆる疑問や悩みを解決するための情報を発信しているサイトです。
フジハウジングでは一人一人のニーズに合わせたご提案を行い、住まいを通じた人生設計を支援しています。お部屋探し・テナント探し・アパートなどの賃貸管理・資産価値リフォーム・おうち探し・土地探し・不動産売却・相続対策・土地有効活用はフジハウジングにお任せください。
