久喜市内を散策していたある日、ふと目に入ったのがこちらの老舗和菓子店「御菓子司飯田」。
店内をのぞくとガラス越しに見えるショーケース。
そしてこの歴史を感じさせる店がまえに、思わず足を止めてしまいました。

偶然見つけた和菓子店で出会った、心に残るなつかしい味わい

店内に足を踏み入れると、どこかなつかしい感じです。
きれいに手入れされたガラスのショーケースが並び、その中にはおだんごやおまんじゅうなど昔ながらの素朴な和菓子が置かれていました。
「すみません」と声をかけると、奥からゆったりとした足取りで来てくれた店主さん。
もの静かでやさしそうな感じがお店の雰囲気と相まって、ほっこりとした気持ちになりました。

訪れたのが12月でしたが、この時期は冬の風物詩とも言える「のし餅」が和菓子屋さんに並びます。一般家庭ではなかなか作ることがむずかしいですが、和菓子屋ならではの手仕事で丁寧に作られたのし餅は絶品です。

こちらのお店でものし餅が並び、季節感を感じさせてくれました。

そしてショーケースをのぞいてみると目に飛び込んできたのは「焼きだんご」。

なんと1本90円という驚きの価格です!
店主の温かい心づかいが、そのままお値段にも表れているようです。
手書きの値札も味わいがありますよね。

もう1つ目にとまったのは「あやめ万十」

お米と山芋で作られたもっちりとした皮にこしあんが入った、いわゆる「薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)」です。
丁寧に作られていても、1つ108円とびっくりするようなお値段です!

40年以上、和菓子作りに情熱を注ぐ店主の証

店主におまんじゅうやお店の話を聞きながら、店内をぐるりと見渡すと、目に入ってきたのがたくさんの賞状です。
衛生管理や地域貢献、人材育成などさまざまな分野で功績を称たたえられたものです。

こちらは、前埼玉県知事よりいただいた「埼玉県食品衛生大会」においての賞状だそうです。

衛生管理は飲食店において、もっとも重要なことだと思います。

改めて見るとこちらのお店、年季の入った雰囲気はあるものの、ショーケースなどはきれいに手入れされていて、とても清潔感があります。
店主が長年愛してきたお店を、訪れてくるお客さまを思って毎日丁寧に手入れされているのでしょうね。

店内で見つけたもう1つのお宝がこちら、なつかしの「黒電話」です!

ショーケースの上にポツンと置いてありました。
今や骨董品とも言えるレトロな黒電話にはピンクのカバーがかけられ、どこかかわいらしい印象を受けました。
時代とともに多くの人が使わなくなったものの、ここでは大切に飾られています。
きっと店主はお店や道具なども、長く大切にしてきたのだろうと思いました。

心温まるなつかしい味わい、素朴でやさしい甘さの和菓子

お店を訪れた記念に、焼きだんごを購入しました。
包みを開けると、ほんのりと香ばしい香りがただよいました。
おだんごの1つぶの大きさがほどよく、お子さまやご年配の方にも食べやすいと感じる大きさでした。
そしておだんごのやわらかさと甘じょっぱいタレのバランスがよく、シンプルでとてもやさしい味わいです。
昔ながらの素朴な甘さが、とてもなつかしくやさしさを感じ、心がほっこりと温まりました。

偶然立ち寄ったお店でしたが、なつかしい雰囲気の店内とやさしい味わいの和菓子、そして店主の温かさに癒された1日でした。
店主がご高齢のため、商品の種類や品数は多くありませんが、店主のペースで日々和菓子を丹精込めて作っています。
地元の人たちに愛され続ける「御菓子司飯田」の、素朴でやさしい味わいの和菓子をぜひ一度ご賞味ください。

御菓子司飯田
住所:埼玉県久喜市菖蒲町菖蒲278
アクセス:JR東北本線、東武鉄道伊勢崎線「久喜駅」東口から車で約18分
TEL:0480-85-4191
営業時間:8:00-18:00
定休日:火曜日
駐車場:店舗前に駐車可