「久喜市郷土資料館」をご存じでしょうか?
久喜の歴史や文化を深く、そして楽しく学べると、地元の人から観光客まで幅広く親しまれている資料館なんです。
2010年に、久喜市・菖蒲町・栗橋町・鷲宮町が合併して誕生した現在の久喜市。そんな久喜市の魅力を再発見できる「久喜市郷土資料館」を紹介します。
常設展で久喜市の歴史をたどる
常設展では、久喜市の原始時代から現代に至るまでの歴史をじっくりとたどることができます。
原始・古代の展示コーナーでは、地域で出土した土器や石器が紹介されており、古代人の生活や文化の発展について知ることができます。
特に弥生時代の遺跡から発掘された資料は、久喜市がその時代から人々の生活の拠点であったことを感じさせる内容です。
中世の展示では、鷲宮神社に関連する貴重な文書の複製や当時の資料が並んでいます。
出雲族が建てた「関東最古の社」といわれる鷲宮神社。宗教的にも文化的にも、重要な場所だったことをうかがい見ることができる内容となっていました。
近世に焦点を当てた展示では、交通や物流の拠点となっていた久喜市の姿が紹介されています。
江戸時代に宿場町として栄えた「栗橋宿」には、関所も設けられていました。
「栗橋関所」があった場所(現在の久喜市栗橋北あたり)には、石碑しか残されていません。
資料館では、当時の栗橋関所の模型を見ることができます。
今では考えられない日本国内での関所。たった150年ほど前までは実際にあったと思うと、歴史の移り変わりの早さを感じます。
他にも、円空仏の複製など歴史的に価値の高い資料が展示されていました。
近現代のコーナーでは、戦後の発展や市町村合併後の久喜市の姿が取り上げられ、工業の発展と共に変わっていった市民の生活も学ぶことができます。
常設展示では、現在の久喜市になるまでの歴史を辿ることができる、感慨深い展示内容となっていました。
「神楽の世界」で伝統芸能を体感
こちらも常設展示の「神楽の世界」。郷土資料館の目玉とも言える内容です。
久喜市が誇る伝統芸能「鷲宮催馬楽神楽(わしのみやさいばらかぐら)」をテーマに、その魅力をたっぷりと堪能できます。
実際に使用される衣装や道具が展示されています。
うつくしく繊細な装飾の衣装や、神楽の演技を支える楽器の数々。職人の技術の結晶として、見る者を魅了します。
この神楽は「国の重要無形民俗文化財」にも指定されている歴史ある文化。
そんな貴重な文化の起源や演目、舞台演出についても詳しく解説されています。
神楽の舞台を収録した、迫力ある映像を鑑賞できる映像展示も。
映像から、神楽が地域の人々にとって大切な文化であることが実感できます。
さらに、全国の神楽情報を検索できるタッチパネルも設置されており、神楽の多様性やその背景についても学ぶことができました。
常設展には、「水と共に生きる」というコーナーもあります。
利根川や荒川などの河川や水路が、地域の発展に果たした役割について、映像や模型を使ってわかりやすく展示されていました。
水路を活用した産業や農業の歴史にふれることで、当時の人々の生活や工夫を知ることもできます。
久喜市と水との結びつきを改めて実感できる、そんな内容となっていました。
資料館の後は鷲宮神社へ
久喜市郷土資料館は、東武伊勢崎線の「鷲宮駅」から徒歩約10分の場所にあります。
鷲宮駅からは、「鷲宮神社」までも徒歩約10分ほど。
郷土資料館で見学を楽しんだ後は、鷲宮神社を訪れてみるのもおすすめです。
関東最古の社として知られる鷲宮神社は、歴史と神秘に満ちたスポット。
神楽は年に数回、鷲宮神社で行われています。資料館の神楽展示と合わせて訪れることで、久喜市の文化をより深く楽しむことができるのではないでしょうか。
歴史と文化に触れるひとときが過ごせる「久喜市郷土資料館」。
生活している地域の歴史って、実はなかなか触れることがないですよね。
資料館で見る歴史や文化は、知らなかったことばかり。住み慣れている久喜市の新しい魅力を発見することができました。
入館料は無料なので、お子さんとのお散歩でふらりと立ち寄ってみるのもいいのではないでしょうか。
みなさんもぜひ一度、足を運んでみてくださいね。
久喜市立郷土資料館
住所:埼玉県久喜市鷲宮5丁目33-1
交通:東武伊勢崎線「鷲宮駅」東口から徒歩約15分
JR東北本線「東鷲宮駅」西口から朝日バス「豊野コミュニティセンター」行き「図書館入口」下車 徒歩約2分
連絡先:0480-57-1200
開館時間:10:00-18:00
休館日:月曜日(休日の場合は開館)・休日の翌日
年末年始(12月28日から1月4日)
※その他館内整理日(毎月最後の金曜日)及び臨時休館日有り
詳細は公式HPにてご確認いただけます。
入館料:無料
駐車場:有