「家を買ってよかった!」
そう思える人もいれば、「もっとよく考えておけばよかった…」と後悔する人もいます。
人生の中でも特に大きな買い物となる「家選び」。それなのに、なぜ多くの人が判断に迷ったり、後悔したりしてしまうのでしょうか。
その答えのひとつが、「家選びの軸」がないままスタートしてしまうことです。
膨大な物件情報、周囲の意見、現地での高揚感。どれも家選びを楽しくさせる要素ですが、それらに流されてしまうと、「本当に必要だったもの」が見えなくなってしまいます。
この記事では、「家選びにおける軸とは何か?」を明らかにしながら、ブレない判断をするための5つの視点をお伝えします。
価値観の棚卸しを通して、あなたと家族にとって“ちょうどいい家”に出会うための考え方を、具体的にご紹介していきます。
なぜ「軸」がないと家選びで迷走するのか?
情報の海に飲まれてしまう家探し
いざ家を探し始めると、目に入る情報の多さに圧倒されます。
- ポータルサイトのおすすめ物件
- 人気エリアのランキング
- 友人や親からのアドバイス
- 住宅展示場の設備と演出
最初は「家族にぴったりの家を探そう」と思っていたのに、いつの間にか「今これが人気らしい」「こっちの方が新築だし…」と判断がブレていく。
家選びの“軸”がないと、選ぶ基準が毎回変わってしまい、決断に一貫性がなくなるのです。
「ブレる人」と「ブレない人」の違い
実際の現場では、「軸を持っている人」は驚くほど早く納得できる決断をします。たとえばこんなケースです。
- Aさん:「通勤1時間以内・南向き・予算4,000万円以内」が絶対条件 → 3件目で決定
- Bさん:「なんとなく広い方がいいかな」「子供のことも考えて…でも予算も気になる…」 → 10件以上内見しても決まらない
「どちらが正しい」という話ではありませんが、Bさんのような方は判断軸がないため、毎回の内見が新しい条件の追加・変更につながってしまいます。
結果的に迷走してしまい、「どうしてこの家にしたんだっけ?」という後悔につながることも。
住宅購入は「選択の連続」
家選びは「二択」ではありません。何百、何千もの選択肢の中から、“自分に合う一軸”を立てないと、判断ができなくなるゲームです。
そして多くの場合、最終的に「完璧な家」は見つかりません。
だからこそ大切なのは、「何を優先し、何を捨てるか」。
それを導く“軸”を持っているかどうかが、家選びの成功を左右するのです。
「家選びの軸」は家族で共有すべき価値観
家族間で軸がズレると、後悔も増える
家を買うというのは、単なる「モノの購入」ではありません。
それは「どんな人生を、どこで、誰と、どう過ごすか」を決める選択です。
だからこそ、家族の誰か一人が判断軸を持っていても、それが共有されていないとトラブルになります。
例えば、こんなすれ違いはよくある話です。
- 夫:「通勤時間を短縮したいから駅近がいい」
- 妻:「自然の多い静かな場所で子育てしたい」
- 子ども:「転校はできればしたくない」
このように、家族それぞれが違う「優先順位」を持っているのに、それを言語化・共有せずに家を探し始めると、内見のたびに意見が衝突し、迷いが深くなるばかりです。
「価値観の棚卸し」から始めよう
まずは、家族で次のような項目を一度書き出してみましょう。
項目 | 例 |
---|---|
なぜ家を買いたいのか? | 今の家賃がもったいない/子育て環境の向上/将来の資産形成など |
どんな暮らしが理想か? | 静かで広い家/職場まで近い便利な場所/親との同居も視野に |
譲れない条件は? | 駐車場付き/学区/陽当たり/ペット可など |
将来どうしたいか? | 子どもが独立した後も住み続ける/数十年後は売却する予定 |
軸を明確にするための5つのポイント
家選びの「軸」を言葉にするには、具体的な視点から自分たちの価値観を掘り下げていく必要があります。
ここでは、軸を整理するために欠かせない5つのポイントを紹介します。
① なぜ今、家を買うのか(目的)
まず最初に向き合うべき問いは、「なぜ今、家を買いたいのか?」です。
- 賃貸の家賃がもったいない
- 子どもが大きくなる前に環境を整えたい
- 終の住処を早めに確保しておきたい
- 将来的に資産を持ちたい など
この“動機”が曖昧なままだと、家探しが周囲の情報に流されやすくなります。
目的を明確にすることは、すべての選択に一貫性を与える土台になります。
② 生活環境に求めること(子育て、自然、利便性)
どんな暮らしをしたいのか、日々の生活のイメージを具体的に描いてみましょう。
- 静かな住宅街でのびのび子育てしたい
- 自然が多く、休日は家の近くで過ごしたい
- 駅徒歩10分圏内で通勤・通学の負担を減らしたい
- スーパー・病院・学校が近くにある利便性がほしい
これらはすべて相反する可能性もあります。
たとえば「駅近で自然が多くて静か」という条件は、都市部ではなかなか実現が難しい。
だからこそ、“何を優先し、何を我慢できるか”を明確にすることが、軸づくりの鍵になります。
③ 将来設計と資産性(リセール、相続)
家は「住むためのもの」であると同時に、「長期的な資産」としての側面も持ちます。
- 数十年後も住み続けたい家か
- いずれ売却する可能性があるか
- 子どもに相続したいか
- 資産価値が維持されそうな立地か
こうした視点を持っておくことで、一時的な好みや流行ではなく、長期的に納得できる選択が可能になります。
④ 家計とのバランス(ローン負担と生活の質)
理想の家を追い求めすぎて、毎月の生活が苦しくなってしまっては本末転倒です。
- ローンの返済比率は家計に対して無理がないか
- 旅行や外食など、生活の余裕を確保できるか
- 将来的な教育費や老後資金と両立できるか
予算を「限界まで出す」のではなく、“安心して暮らせる範囲”を見極めることも、家選びの軸に欠かせない視点です。
⑤ 譲れない条件 vs 妥協できる条件
家選びには、どうしても「理想と現実のギャップ」がつきまといます。
その中で、「これだけは絶対に譲れない」条件を3つまで絞ることをおすすめします。
例:
- 譲れない → 子どもの学区/南向き/駅徒歩15分以内
- 妥協できる → リビングの広さ/駐車場の位置/外観デザイン
優先順位を明確にしておくことで、物件を比較検討する際に迷いが減り、「決断疲れ」を防ぐことができます。この5つのポイントをもとに、ぜひ家族で話し合ってみてください。
すると、「あれもこれも欲しい」という状態から、「この家はうちに合っている/合っていない」という判断がスムーズにできるようになります。
「理想」と「現実」のバランスをどう取るか?
100点の家は、存在しない
「完璧な家を探したい」
それは誰もが願うことです。間取りも立地も価格も設備も理想通り。…でも、残念ながらそのような“100点満点の家”はほとんど存在しません。
家選びは、あらゆる条件を総合的に見て「この家なら満足できる」と思える“納得の落としどころ”を見つけることがゴールです。
そのためには、「理想を叶えたい」気持ちと、「現実にできること」のギャップをどう埋めていくかが重要です。
「妥協」ではなく「優先順位」と考える
家探しをしているとよく出てくる言葉が「妥協」。
でも、妥協という言葉にはどこかネガティブな響きがあり、我慢や諦めのイメージがつきまといます。
ここで大事にしたいのは、「何を優先し、何を後回しにするか」という意思決定です。
- 家族の安全と通勤の利便性、どちらが優先か?
- 住宅性能か、駅近か?
- 資産性か、暮らしやすさか?
このように、ひとつひとつの希望に対して“取捨選択”をしていく感覚を持つことで、気持ちよく決断することができます。
満足度が高いのは「85点」の家
不思議なことに、実際にマイホームを購入して満足している人たちの多くが、「すべて希望通りだったわけじゃない」と話します。
- 「駅から徒歩20分だけど、環境が良くて子育てしやすい」
- 「間取りは少し狭いけど、陽当たりが抜群で家族が明るくなった」
- 「駅近で便利、でも駐車場がやや狭い。でも慣れたら問題ない」
このように、完璧ではなくても、自分たちの軸に合った“85点の家”に出会えたとき、人は満足しやすいのです。
なぜなら、「何を優先して、何を手放したか」が自分たちで納得できているからです。
「失敗した」と感じる人は、“理想”に引きずられている
一方で、「あのとき、あっちの物件にしておけばよかったかも…」と後悔する人の多くは、「理想」を最後まで追い求めすぎてしまった傾向があります。
- 条件を追い続けて決断が遅れ、良い物件を逃した
- 購入後に「もっといい家があったかも」と思い続けてしまう
家選びにおいて、「軸がある状態で選んだ」という納得感があれば、多少の不満があっても「選んでよかった」と思える可能性が高くなります。
家探しは、現実とのバランスを取りながら、最も納得できる形を見つける作業です。
軸があれば、どんな判断をしても「自分たちにとってベストだった」と納得する力が持てます。
軸をもとに家選びを成功させた事例
ここでは、実際に「家選びの軸」を明確に持つことで、納得のいく決断ができた3つのケースをご紹介します。
理想と現実をどうすり合わせ、どんな価値観を大切にしたのか。成功のヒントが詰まっています。
事例①:子育て優先、「学区」と「自然」を軸にした家族
背景
共働き夫婦と5歳の子ども。これまで都心のマンションに住んでいたが、子どもの成長をきっかけに「もっと自然に囲まれた環境でのびのび育てたい」という想いが強くなる。
家選びの軸
- 第一優先:安心できる学区と自然環境
- 妥協した点:駅からの距離(バス利用)
結果
郊外の自然豊かな住宅地に一戸建てを購入。通勤時間は少し伸びたが、子どもがのびのび遊べる公園や、評判の良い小学校が近くにあり、満足度は高い。
ポイント
「便利さより子育て環境」という家族の価値観を貫いたことで、ブレずに決断できた好例です。
事例②:共働き夫婦、通勤と家事効率を最重視
背景
共にフルタイムで働くDINKs(子どもを持たない共働き夫婦)。「平日の生活効率」を重視し、時短・動線・駅距離などがテーマに。
家選びの軸
- 第一優先:駅近・生活動線のよさ
- 妥協した点:広さと庭
結果
新築マンションを購入。間取りはコンパクトだが、駅徒歩5分でスーパーも近く、室内の家事動線も理想的。余った時間を趣味や二人の時間にあてられるようになり、生活満足度が向上。
ポイント
「今のライフスタイルに何が一番必要か?」を徹底的に洗い出したことで、効率と幸福度を両立できた成功例です。
事例③:将来を見据えた「資産性重視」の判断
背景
子どもが独立し、夫婦二人暮らしに。将来の売却や相続も見据えて「価値が下がりにくい家」を探す。
家選びの軸
- 第一優先:立地の資産性(駅徒歩圏内・再開発地域)
- 妥協した点:築年数、内装の古さ
結果
築20年の中古マンションを購入。内装はリノベーションで対応。エリアは今後の再開発予定があり、将来的な売却・資産形成にも期待。
ポイント
「住み心地」だけでなく「将来の価値」まで見据えた軸設定が、冷静な判断を導いた好例です。
事例から見える共通点とは?
これらの家族に共通するのは、以下の3点です:
- 家を買う目的が明確
- 家族内で価値観をすり合わせている
- 「軸」に沿った優先順位で判断している
つまり、「自分たちにとっての正解」が見えていたからこそ、情報に振り回されず、自信を持って決断できたのです。
まとめ:家選びは「軸」さえあれば、必ず納得できる
家選びは、人生の大きなターニングポイント。情報があふれる時代にあって、つい「便利そう」「お得そう」という言葉に惹かれがちですが、本当に大切なのは“自分たちにとって何が幸せか”を見つめ直すことです。
そのために必要なのが、「家選びの軸」。
軸とは、単なる条件のリストではなく、「家族の価値観を言語化したもの」です。
家選びの軸を作るためのステップ(おさらい)
- なぜ家を買うのか?(目的)
… 賃貸からの脱却? 子育て? 資産形成? - どんな暮らしをしたいか?(理想の環境)
… 静かな環境? 通勤便利? 自然豊か? - 将来をどう考えるか?(資産性・ライフプラン)
… 相続や売却を視野に入れる? 永住する? - 家計とのバランスは?(経済的現実)
… 無理なく返済できる予算内か? - 譲れない条件と、妥協できる条件は?
… 優先順位をはっきりさせる
この5つの問いに向き合い、家族とじっくり話し合いましょう。
すると、数ある物件の中から「この家こそ自分たちに合っている」と胸を張って選べるようになります。
最後に:家選びは“自分たちの人生選び”
「家を選ぶ」ということは、「これからどんな暮らしをしたいか」「誰とどんな時間を過ごしたいか」を選ぶことでもあります。
あなた自身の価値観を尊重し、周囲の情報や流行に流されることなく、“自分たちにとって本当に大切なこと”を軸に据えて家選びを進めてみてください。
きっと、「選んでよかった」と心から思える住まいと出会えるはずです。
いずれにしても、「何のために家を買うのか」は、その人(家族)それぞれであるはずです。友達のマネにはなりません。他ならぬ自分達が家に対して持っている価値は何なのか、自分たちが大事にしているものは何なのか。そこをはっきりさせておいて、その価値観をしっかりと意識しながら家の購入計画を進めていくことが大切です。
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