不動産購入の前に知っておきたい事がございます。近年、老朽化した物件が増えており、給排水管などの破損が多発し、保険金支払いが膨らんでいるという事をお聞きになった事はありませんか?

そのような破損が増え、最近ではマンションの管理組合が加入する保険の値上がりが相次いでいるようです。昨今、大型台風による浸水でマンションの共用部に大きな被害が出たのは記憶にある方も多いかと思います。

保険に入らないという選択肢

マンションを購入する際、火災保険や地震保険への加入は“当然”と思われがちですが、「本当に必要なのか?」と疑問を持つ方も増えています。特に保険料の高騰や保険会社の補償見直しが進むなか、「保険に入らない」という選択を現実的に考える人が出てきました。

実際に、マンションの構造や管理体制、立地条件などによっては、保険加入のリスクとコストが見合わないケースも存在します。ただし、選択には一定の知識と注意が必要です。万が一の事故時に想定外の出費やトラブルに巻き込まれる可能性もあるからです。

本記事では、2025年の最新情報を交えつつ、「マンション保険に入らない選択をする場合、どんなリスクがあるのか?」「入らなくても良い場合とはどんなケースなのか?」を具体的に解説していきます。

マンション保険の基本構造とは?

まずは、そもそも「マンション保険」とは何を指しているのかを整理しておきましょう。

マンションの火災保険には大きく2種類あります。

  1. 専有部分の保険:各部屋の所有者が自分で加入する保険。火災・水ぬれ・盗難などに備える。
  2. 共用部分の保険:管理組合が契約する保険。エントランスや廊下、給排水管など共用スペースが対象。

特に共用部の保険は管理組合が一括で加入し、費用は管理費などから賄われます。一方、専有部については、購入者が任意で加入する形式となっており、不動産会社や金融機関が契約時に勧めることが多いです。

ここで「入らない」という選択が現れるのは、主に専有部の火災保険についてです。特に中古マンション購入時や住宅ローンを組まない現金購入の場合、「火災保険は必須ですか?」という質問が多くなっています。

結論から言えば、法的義務はありません。ただし、住宅ローンを利用する場合、多くの金融機関が融資の条件として火災保険の加入を求めています。また、入居後のリスクを補う役割として非常に重要な存在であることは間違いありません。

2025年最新事情:保険料高騰の背景と共用部リスク

2024年から2025年にかけて、マンション保険料は全国的に上昇傾向にあります。特に管理組合が加入する「共用部保険」の負担増が目立っており、築年数の経過により、保険料は毎年数%ずつ上昇する傾向が続いています。

火災保険の改定は各社で断続的に行われており、たとえば東京都内では2019年10月の改定で保険料が20%以上上がったケースも報告されています。現在ではそれに加えて「事故率に応じた割増制度」や「管理状況の審査」が保険料に反映されるようになってきました。

背景には以下のような要因があります。

  • 築30年超のマンションが急増し、老朽化による事故(特に給排水管トラブル)が多発
  • 2019年や2022年の台風・大雨などによる大規模水害で、保険金支払額が過去最大規模に
  • 全体の保険事故のうち、水ぬれ関連が47%超、風災が28%、物体落下10%、火災などその他が15%という実態

特に給排水管事故については、古くなった配管の破損が保険金支払いを急増させています。しかし、配管そのものの修理は保険の対象外であり、水ぬれによる他戸への被害に対する「賠償責任特約」で補償される形が多くなっています。

このような事情から、保険会社は事故率が高い物件への保険料を引き上げ、加入条件を厳しくする方向に進んでいます。

マンション保険に入らない場合の具体的リスク

では、こうした事情を踏まえて「保険に入らない」という選択をした場合、どのようなリスクが考えられるのでしょうか。特に専有部分の火災保険を未加入とした場合、以下のような具体的なリスクが挙げられます。

1. 自室の火災で損害を自己負担

火災で自室が損害を受けた場合、保険に未加入だと全額自己負担となります。しかも、隣室や共用部にも損害が及べば、損害賠償請求の対象になる可能性もあります。

2. 給排水管のトラブルによる他戸への被害

例えば、自宅の洗濯機ホースが外れ、階下の部屋に被害が及んだ場合。これは「個人賠償責任保険」がなければ、原状回復費用を全額自己負担することになります。

また、トイレや浴室からの水漏れ事故は日常的に起きています。保険がなければ、修繕費・補償金が数十万円から百万円以上にのぼることもあります。

3. 盗難・水害・台風被害に対応できない

マンションの上層階に住んでいるからといって安心はできません。強風でベランダのガラスが割れる、雷で電化製品が故障する、水害で宅配BOXやロビーが破損するなど、日常生活に起こり得るトラブルへの備えがなくなります。

4. 管理組合とのトラブルに発展することも

分譲マンションでは、共用部の修繕や事故対応で住民の合意形成が重要です。保険未加入者がトラブルを起こした場合、「責任能力がない」と見なされ、住民間の信頼を失うことにもなりかねません。

特に中古マンションでは、住民構成が固定化されていることも多く、管理規約や管理会社の判断に影響を与える可能性もあります。

入らない選択のメリット・判断基準

ここまで保険未加入のリスクを見てきましたが、それでも「保険に入らない方が良いのでは」と感じる方がいるのも事実です。実際、以下のような条件に当てはまる場合は、慎重に判断することで「入らない」という選択肢も現実的になります。

メリット①:保険料の節約ができる

火災保険は築年数や建物構造、立地条件によって大きく変わりますが、たとえば築30年以上のRC造マンションであっても、年間保険料が数万円以上かかるケースは珍しくありません。特に地震保険を加えた場合は、その負担は倍近くになります。

もし住宅ローンを組まず、現金購入であれば、保険加入は強制ではありません。事故リスクが相対的に低く、共用部の保険がしっかりしている場合は、費用対効果のバランスを見て加入を見送る判断も出てきます。

メリット②:自費での対応が可能な資力がある

自室の損害や賠償費用を自己負担できるだけの十分な資金がある場合、保険による「お守り」としての役割は相対的に小さくなります。逆に言えば、「保険を使うまでもない事故」が頻発する環境では、毎年の保険料の方が割高になる可能性もあります。

判断基準①:建物の構造や立地が良好であること

RC造で耐火性能が高く、ハザードマップ上も水害・地震のリスクが低い地域であれば、火災保険の必要性は相対的に低くなります。マンション全体の管理が良く、給排水管の更新も定期的にされているようであれば、水ぬれリスクも下げられます。

判断基準②:管理組合の補償制度が充実している

マンションによっては、共用部の保険に特約を追加して専有部の一部損害にも対応するタイプの保険に加入している管理組合もあります。管理規約や保険証券の内容をよく確認し、自分で追加加入しなくてもカバーされる部分が多いようであれば、検討の余地はあります。

中古マンション購入時のチェックポイント

保険に入るかどうかを判断する上では、物件購入前の調査が欠かせません。特に中古マンションの場合、次のようなポイントを確認することで、リスクを見極めることができます。

1. 管理組合の保険内容

共用部の保険契約がどうなっているか、補償範囲や免責金額を含めて確認しましょう。事故が起きた場合に、どこまでカバーされるかで、自分が加入する必要性の程度も変わってきます。

2. 修繕履歴と給排水設備の更新状況

築30年を超えるマンションでは、給排水管の更新工事が実施されているかどうかが重要です。未実施であれば、水ぬれリスクが高く、賠償リスクを背負う可能性があります。

3. 管理状況・管理会社の評判

保険料の割引制度に「管理評価」が導入されている保険会社もあります。たとえば、三井住友海上や日新火災では、事故率や修繕の実施履歴に応じて割引が適用される制度があります。これは裏を返せば、「評価が低い=事故リスクが高い」と見なされるということです。

中古マンションを購入する場合は、こうした管理状況を評価の材料として活用することが非常に重要です。

まとめ:結論と選択のヒント

「マンション保険に入らない」という選択は、確かに一定の合理性を持つ場合もあります。しかしそれは、建物の条件、住民構成、資金状況、共用部の保険内容など、多くの要素を慎重に検討した上での話です。

2025年現在、火災保険や地震保険は保険料が高騰し、補償範囲も限定的になってきています。一方で、事故リスクは着実に高まっており、水ぬれ事故や給排水管トラブルのように「よくある日常的なリスク」こそが深刻な損失につながる時代になっています。

リスクに備えながらも、費用を無駄にしない判断を下すために、ぜひ今回ご紹介した情報を物件選びや契約の際に活かしていただければと思います。

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