2024年5月17日 埼東よみうり掲載
不動産会社はどこも同じ?
不動産を探すときには、エリアや家賃/価格など、「物件の条件」を気にしがちですが、「どんな不動産会社にお願いするか」ということも、実は非常に重要な要素です。しかし、情報量・集客力・物件オーナーとの交渉力・サービスの良さなど、数多くの不動産会社の中から最適な会社を選ぶのは難しいと思います。そのため、不動産会社選びに役立つ知識を事前に身につけておくことは大切といえます。
不動産会社の仲介手数料は法律で上限が定められており、仲介手数料による優劣がない(※)からこそ、親身でかつ対応力のある会社をパートナーにしたいですね。
よく、「知り合いや親族に不動産会社の人がいるから」という方がいますが、そういった方こそ、きちんと不動産会社を見極めて頂きたいと考えています。私個人の考え方として、「知り合い」というだけで小さくない財産を任せるのは危険だと考えます。
本記事では不動産会社にどんな依頼をする場合にも確認してほしい内容を、4つのポイントに分けてお伝えいたします。
(※)賃貸仲介の場合の鍵交換費用、火災保険料、礼金、その他オプション等の金額設定は会社によって異なることもあります。
不動産会社を選ぶ際に確認してほしい4つのポイント
① WEBサイトがしっかりしている
昨今はインターネット上に多くの新しい情報があり、物件情報、トレンドや法律の変化、相場推移など、不動産に関する情報も例外ではありません。WEBサイトを古いまま放置せず、お客様の見やすいサイト構成・伝えるべき情報をしっかりと発信している不動産会社は、常に新しい情報へのアンテナがあり、時流を理解していることが多いと考えられます。
不動産業は「不動産に関する法律」を扱う業者です。宅建業法、都市計画法、建築基準法など、不動産関連法は毎年更新されており、知っているか知らないかで大きな経済的な差が出てくることもあります。そこで、時流を理解しているか、はとても大事なことであり、その一つの指標として、事業者のWEBサイトから感じ取れることは多いと思います。
また、ホームページから会社情報、雰囲気、スタッフの顔、強みなどがわかると、安心して連絡できます。
② 地域貢献活動やメディア掲載等の実績がある
不動産会社を選ぶ際には、そのエリアに関する情報量をどれだけ持っているのか、という視点も重要です。ただし、その地域に事務所を構えていればいい、というわけでもなく、地域行事への参加や、協賛などを積極的に行って地域のファンを獲得している、いろんな地域団体と交流を持っている会社は多くの情報や取引先があるため、提案の幅も広く、また地域需要もよく把握している傾向があります。また地域紙や情報誌、TVなどのメディアに取り上げられている実績のある会社は、社会的に評価されていると判断でき、選ぶ際の安心材料の一つになります。
③ 適切な経営基盤がある
経営基盤といっても複数の要素がありますが、私は資本金1000万円以上の株式会社、従業員5名以上、歴史がある(最低でも5年)、会社で所有している建物がある、等を重視してほしいです。
数百万円~数千万円、時には数億円の大きな取引をお任せするため、万が一のリスクの際に責任を取ってもらえる経営状況であるかどうかは、見過ごすべきでない条件です。
例えば、ひとり社長がやっている会社の場合ですと、社長さんが急病などになってしまい、話が進まなくなってしまう、などのリスクがあります。会社で所有している建物があれば、なにかあっても逃げられないということが言えます。また、賃貸物件を持っている会社の場合、賃貸オーナーとしての目線があるため、賃貸・売買・管理・リフォームといった側面から相談に乗ってもらえる、など強みを感じられます。
経営年数が長いと、長期にわたって地域情報をレコードしているため安心感があります。
以前は○○があった場所、近年高齢化が進み、近くの学校では生徒数が減ってしまっている、逆に、若い夫婦の移住が増え子育てサービスも手厚い地域、など住居を購入する前にある程度地域情報を得られるメリットがありますね。
※不動産仲介業の営業年数を大まかに確認するために「宅建業免許の更新回数を確認する」という方法があります。宅建業を営む不動産会社は宅建業の免許を5年に1度更新しています(1996年以前は3年に1度です)。免許を出した主体によって「国土交通大臣免許(6)○○号」「東京都知事免許(5)△△号」などと表示されます。この()の中の数字が更新回数になります。(1)は新規~5年未満、(2)は5年以上10年未満の会社となります。
④ 総合的な対応力や実績がある
幅広い選択肢を提案してもらえそうか、に注目することをお奨めします。
宅建業と建設業両方の許可を得ているか、賃貸管理や賃貸仲介の実績、法人取引も豊富かなどを調べてみましょう。賃貸管理戸数はHP上で公開している会社がいいでしょう。
例えば売りたい土地があった場合に、ただ金額を付けて売り出しを行うだけでなく、面積に応じて適切に分筆したり、収益不動産を建築する、売却ではなく駐車場などで賃料収入を得る等の活用も考えられます。中古住宅を購入する場合でも、物件に対してリフォームの方法・費用などを適切にアドバイスできる業者だと心強いですね。
また、賃貸管理会社は、貸主とコミュニケーションを取ったうえで、物件の調査や管理などを行っています。賃貸仲介専門の会社と比較すると貸主や物件のことをよく分かっているため、賃貸物件選びでは安心して任せられるでしょう。
☆不動産会社の選び方まとめ
①WEBサイトがしっかりしている。(時流を理解しているかどうかを判断できます)
②地域貢献活動やメディア掲載等の実績がある。
(地域に根付いているか、社会的に評価されているかを判断できます)
③適切な経営基盤がある(資本金一千万円以上の株式会社である、従業員が5人以上いる、持ちビルがある、歴史がある等、万が一のリスクの際に責任を取ってもらえるかを判断します)。
④総合的な対応力や実績がある(宅建業と建設業の許可を得ている、賃貸管理や賃貸仲介の実績、法人取引も豊富など、幅広い選択肢を提案してもらえるかを判断できます)。
不動産会社を選ぶ際は上記の視点をもって、ご自身が安心して任せられるパートナーを探してみてください。
当社について
また、当社の代表(藤田)は久喜市空家等対策協議会の委員(2020-2024)も務めており、空き家問題に精通しておりますので、どんな物件でも安心してご相談ください。
記事を書いた人
経営企画室 上席相談員
鵜殿隆太朗(うどの りゅうたろう)
不動産取引・建築・資産活用のスペシャリストとしてご相談に乗らせていただきます。
ご事情やご要望をお聞かせいただき、一緒に満足のいく解決策を考えていけたらと思います。
(保有資格)
宅地建物取引士
ビル経営管理士
1級建築施工管理技士
1種証券外務員
1級リフォームスタイリスト
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
2級福祉住環境コーディネーター
賃貸住宅メンテナンス主任者