農時新聞 2021年8月8日号

久喜市、全世帯にハザードマップ配布

熱海で甚大な土石流災害が起こった。地球温暖化の影響でここ数年、記録的な集中豪雨が頻繁に発生し、列島各地が激甚に見舞われている。これを重視した国は5月、水害時の早期非難に道を拓く改正災害対策基本法を施工したが、久喜市と加須市は同法改正を踏まえて広域避難のあり方や発令基準等を抜本的に見直した。6月には市民に「自分の命は自ら守って」の気持ちを強く促すハザードマップを全世帯に発行するなど、到来する集中豪雨・台風シーズンに備えた。

久喜市民は一昨年10月13日の深夜に襲来した台風19号による利根川あわや決壊かの悪夢が未だ色濃く残っている。幸い1人の犠牲者も出さずに済んだが、両市とも大混乱となり、避難情報の周知のあり方、発令のタイミング、避難所の確保と運営方法、避難移動の手段と経路などの課題が浮かび上がった。6月議会では、久喜、加須市とも水害対策や広域避難訓練に関する質問が相次いだ。

答弁に立った久喜市の渡辺文勝・市民部長は5月に国が施工した改正災害対策基本法の概要を説明。そのポイントは、(1)従来あった避難勧告を全廃し、避難指示に一本化。(2)災害の恐れありの警戒レベル3が発令されたら高齢者は非難する。(3)災害の恐れが高い警戒レベル4が発令されたら危険な場所から全員避難することになったとした。

早期非難の目安を示す久喜市

久喜市の渡辺文勝・市民部長は台風19号の教訓を踏まえて「今後の発令のタイミングについては河川の水位の上昇傾向、上流地点の雨の降り方、降水量予測などを総合的に勘案判断して早い段階で出すことを考えている」と発言。その発令目安として「鉄道の計画運休情報」を挙げた。具体的には計画運休の可能性が出た段階では避難所となる学校の休校、施設の休館を検討するとした。計画運休が決定された段階では学校など避難施設の開放の日時を周知し、警戒レベル3で高齢者等避難を発令し、栗橋地区や鷲宮地区で長期間浸水する恐れがある区域にバスを配車し、移動手段のない高齢者等の希望者を順次、久喜総合運動公園や菖蒲文化会館に移送する―――などとした。

利根川氾濫時の浸水範囲など示す

水害から命を守る手立てとして久喜市がまとめた「洪水避難決断ブック」も加須市が編纂した「水害時の避難行動マップ」も利根川が氾濫した場合の浸水の範囲と深さ、避難情報発令の基準、避難場所と経路などを図解入りで分かりやすく説明しているのが特徴のひとつだ。また水害から自分を、家族を、地域を守るために、自ら情報を入手し自らの判断で、早めに避難することを呼び掛けているのも共通している。

参考:久喜市防災ハザードマップ
https://www.city.kuki.lg.jp/kurashi/bosai/map/kuki-hazardmapall.html

記事:農時新聞 2021年8月8日号

【関連記事】冠水地帯の状況調査 銀の笛幼稚園周辺道路

首都圏を相次いで直撃した台風15号と19号は各地に甚大な爪痕を残したが、集中豪雨のたびに冠水する久喜市わし宮団地2・3街区付近の銀の笛幼稚園周辺道路について、市は今年度中に状況調査することを決めた。武井保・建築部長が9月議会で杉野修市議の質問に回答する中で方針を明らかにした。

同部長は「今年度は専門業者による周辺の排水施設などの状況調査をする」と述べた。市ではわし宮団地3街区がURの団地再生計画で今後10年以内に一変することを想定し、今年度実施する状況調査結果を踏まえて「URとも協議しながら今後の対応は決めたい」と考え方を示した。

記事:農時新聞 2019年10月28日号

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