「新ごみ処理施設」建設開始4年後の27年4月に稼働へ
2027(令和9)年4月から久喜市菖蒲地区で稼働を目指す「新ごみ処理施設」の建設が10月6日から始まった。同市では現在市内と宮代町から出るごみを3カ所の清掃センターで処理しているが、新処理施設完成後はここに一本化する。市は新ごみ処理施設の建設と20年間の運営を国内最大手の日立造船(来年10月に社名をカナデビアに変更)グループに約422億円で委託した。
新ごみ処理施設の1日あたりの処理能力は155トンを見込む。市では新ごみ処理施設の建設自体は2026年秋までに終了し、半年間、試運転する。
宮代町とのごみ 負担割大筋合意
なお、今回の新ごみ処理施設の建設スタートの直前、久喜市と宮代町はこれまで懸案事項だった建設費を含む事業費負担割合で大筋合意した。荻野和久・環境経済部資源循環推進課長の説明によると、その骨子は総事業費の1割を双方で折半したうえ、残り9割はごみの搬出量などに応じて比率按分するというもの。
リサイクル市 16日~18日に
加須市は11月16日、17日、18日の3日間、大利根クリーンセンターで恒例のリサイクルフェアを開催する。「掘り出し物がいっぱいある」と市民から毎年好評の同フェアは回収した資源ごみの中から職員がまだまだ使えるものを厳選し全て無料で提供する。CDや玩具、大工道具など何千点はその場で持ち帰ることができる。タンスや机、電動自転車など人気優良品は「抽選」となる。
16日~17日は午前9時~午後4時。最終日は午後1時から「抽選会」が開催され、当選者が決まる。
詳細は市資源リサイクル課(☎0480―62―1111へ。
2022年、久喜市議会 新ごみ処理施設建設「可決」
賛成19 反対7 2027年4月稼働予定
久喜市議会は2022年9月定例会最終日の30日、市が菖蒲地区に約276億7000万円をかけて建設するとした新ごみ処理施設建設関連議案を19対7という賛成多数で原案どおり可決した。9月22日の教育環境委員会で同議案が否決されたため動向が注目されていた。市ではこの決定を受け、5年後の2027年4月には久喜市内全域と宮代町のゴミを一括処理する新ごみ処理施設を予定通り稼働させるとしている。
周辺住民への環境対策評価 市民と宮代町のごみ一括処理へ
30日の本会議には27人の議員全員が出席した。議案は議長を除く26人の「賛否」で決した。9月定例会最大の議案となった新ごみ処理施設建設整備事業議案には26人中、4人が賛成の立場で、3人が反対の立場で登壇し、持論を展開した。
建設賛成派はごみ処理施設を市が”迷惑施設”として捉え、建設される周辺住民のことを重視し、臭いや煙などの環境面で十分な配慮を施した点を高く評価した。一方、反対派は建設関連整備費約276億7000万円のうちの85%を占める建設費234億8000万円は高すぎる、賑わい創出整備費25億円は不要だとして設計の見直し等を求めた。9月22日開催の教育環境委員会採決では賛成3人、反対4人で建設整備案は否決されたが、30日の本会議では市の原案に対して26人中19人が賛成し反対者は7人だった。
賛成が多数を占めた決め手、背景には、現在市内に3か所あるごみ処理施設が築30年以上も経過し、老朽化が顕著なことや、新ごみ処理施設建設を先送りして議論を続けているといずれ炉に大障害が発生し、市民生活に重大な影響を及ぼす可能性があること、それに今回建設予定地となった菖蒲地区で市の原案に歓迎する声がでているとの報告があったことなどが総合的に評価された結果と言える。
市は新ごみ処理施設の建設に当たって単に価格面だけを見て落札業者を決める一般競争入札方式を取らず、市の提案内容を最も具現化したことが見定まれる総合評価一般競争入札方式で落札者(日立造船グループ)を決めた。

久喜市の新ごみ処理処理施設の概要
新ごみ処理施設の建設場所は久喜市菖蒲台2770-1で約4ヘクタール。規模は6階建てで高さ約33m。ランドマーク的役割の煙突部分は約59m。現在市内3カ所で行っているごみ処理を一括処理する。処理能力は1日155トン。発電効率は21%以上の高効率発電システムを採用。施設のデザインは斬新。一帯を「菖蒲の丘」として整備し、屋上庭園やイベントができる大階段ステージ、ランニングコースなどを設け市民に開放する。請負業者は日立造船グループで落札額は約422億円。内訳は新ゴミ処理施設建設等関連費が276億7000万円。20年間の運営委託費が145億3000万円で計422億円。このうち新ごみ処理施設建設費は234億8000万円、余熱利用施設と賑わい創出関連の公園整備費が25億7000万円。
2023年着工で竣工は2026年。1年間試運転後の2027年4月に稼働予定。市では新ごみ処理施設に隣接する形で約9ヘクタールの「仮称本多清六市民の杜・緑の公園」も整備する。
記事:農時新聞 2022年10月25日号
写真提供:農事新聞

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