2019年2月24日の当ページで「床上浸水した時の対処法」をお伝えしました。
その記事に補足して、利根川氾濫時のシミュレーション画像を久喜市の防災ハザードマップからご紹介します。
気候の穏やかな今の季節だからこそ、事前の備えと知識をしっかり蓄えておきましょう。
久喜市防災ハザードマップとは

久喜市の防災ハザードマップは全70ページ。
洪水/内水・地震のハザードマップと、防災対策・学習情報がまとめられています。
これから家を建てる方は、家を建てる場所や施工方法の検討に役立ちます。
最新の情報は、久喜市のホームページから見ることができます。
if. 利根川がはん濫した場合

これは防災ハザードマップから抜粋した、利根川がはん濫した場合のシミュレーション画像です。
緑色の縁取りで囲まれた部分が「久喜市」です。
決壊を想定した栗橋の利根川橋付近は、久喜市の右上、隣市(他県)と川を挟む位置。
このハザードマップの画像によると、久喜市栗橋(利根川橋付近)で決壊した場合、3時間後ほどで栗橋地区のほぼ全域が浸水、深いところで5m以上の浸水深になることがわかります。ちなみに6時間後には市内の北側半分まで浸水する予想です。
次に、もう1つの側面からも見てみましょう。
行田市側で決壊した場合の想定画像です。

行田市(北河原小学校付近)で決壊した場合、7時間後には市内が浸水しはじめ、時間が経つにつれて市域全域が浸水していきます。
水の到達は先に紹介した栗橋決壊(想定)時に比べ、ゆっくりに感じるかもしれませんが、栗橋決壊(想定)では浸水していなかったエリアに影響が出てくる点がポイントです。
また市内には、利根川以外にもいくつもの川・用水が流れているので、豪雨災害時には、市内のどこに住んでいても油断はできません。
特に怖いのは、夜間の時間帯です。
暴風雨、外が暗い時間帯は移動にも危険が伴います。上に掲載した地図では色が付いていない部分でも、避難を始める状況では、道路の冠水があちらこちらで起こり得ます。
自動車での移動時は、アンダーパスやはん濫している川を避けて避難場所に行ける最適なルートを、災害が起こるその前に確認しておきたいですね。遠くへの移動は様々な不確定要素が現れがちなので、最寄りの丈夫で高い建物を目指すことが肝要です。
なお、まだ記憶に新しい、昨年の台風19号の際には、久喜市内全域に及ぶ避難勧告は 2019年10月13日深夜2:00の発令でした。
深夜2時の避難警報は、強い風と雨の音で聞き取りにくかった、という話も市中では聞かれています。(久喜在住の筆者の場合もそうでした)


参考までに、久喜市発行のハザードマップに、ご自宅と避難場所になる小学校との位置関係がわかるよう、道路地図を重ねあわせてみました。
栗橋堤防決壊から1時間後(想定)
堤防決壊から3時間後(想定)
避難訓練をするかしないかで、いざという時の初動が大きく変わります。訓練は大げさでも、一考するだけでも随分違うはず。
この記事をここまで読んでくださった皆様、こちらの久喜市の防災ハザードマップも併せてぜひご覧下さい。
最期までご覧くださり有難うございました。
自分の命を自分で守るために必要な知識の備え、これが役立たずに済むような日々を願っています。
【関連記事】久喜市の災害時避難所について(2020年記事)
2020年7月の集中豪雨で九州熊本や西日本の島根、広島、甲信の長野、東北の山形といった地域に甚大な被害をもたらしたが、台風シーズンはこれからが本番なだけに一層の警戒が求められる。昨秋の台風19号襲来であわや利根川決壊かと緊張が走り、市政初の広域避難命令を発令した久喜市は、その後、避難所の充実などの対策をとったものの、今回のコロナ禍で、市民に「自分の命は自分で守って」と訴え、浸水想定区域外の親戚や知人宅等への早めの避難を呼び掛けている。
人口15万人に対して約4万7600人だけ?
久喜市はコロナ禍で避難所の収容人数制限をせざる得ない悩みを抱える。6月議会で田中勝氏や長谷川富士子議員は、コロナ禍の中、自然災害が発生した場合の避難所のあり方などを質した。これに対して市川竜哉・市民部長は「埼玉県作成のガイドラインで人と人との距離は2m程度を確保すべきに基づくと1人当たり4㎡となるので、久喜地区は35か所で2万4100人、菖蒲地区は14か所で5900人、栗橋地区は13か所で7200人、鷲宮地区は14か所で1万400人の計76ヶ所で約4万7600人」と答弁。久喜市の人口が約15万人なので、3割程度しか収容できないことが判明した。
このため同部長は「(19号の教訓で)今後市は利根川河川の上昇傾向、上流地点での雨の降り方、降水量予測などを総合的に勘案して早い段階で避難情報を発令すると発言。そのうえで「自然災害においては市民の皆さんが自らの判断で行動することが原則。市の情報を待つことなく、気象情報や川の情報などを自ら取得し、状況に応じて、自らの判断で、自分の命は自分で守るため、早めの行動をとっていただきたい」と語った。
更に「安全保障が得られるなら必ずしも避難所に行くことはない 在宅避難、親戚などへの分散避難、車中泊、テント泊などの方法もある」とも語った。

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