大切なおもちゃがまた動き出す!「久喜・栗橋おもちゃの病院」

「おもちゃの病院」という名前を聞いたことはありますか?
それは、こわれたおもちゃを無償で“直してくれる”ボランティアのドクターたちがいる場所です。

この活動を支えているのが、全国にネットワークを持つ「日本おもちゃ病院協会」。
おもちゃ修理の技術や情報を共有し、ドクターの養成や、修理用部品・工具の提供などもおこなっています。

久喜市内では、「久喜おもちゃの病院」と「栗橋おもちゃの病院」の2か所が活動中。
月に一度地域の施設で「開院」し、年間およそ200件以上の“おもちゃの手術”をおこなっています。
ただ直すだけでなく、「子どもたちが安全に、安心して遊べるように」という想いを大切に。
おもちゃを通して、“ものを大切にする心”もそっと育む、そんなおもちゃの病院をご紹介します。

どこで“直せる”の?久喜・栗橋のおもちゃの病院情報

久喜市内で開院しているおもちゃの病院は、以下の2か所です。

  • 久喜おもちゃの病院:久喜市立児童センター(第3土曜日)
  • 栗橋おもちゃの病院:栗橋おもちゃの病院(第1土曜日)

いずれも月に一度の開院で、当日の受付・診察が可能です(予約不要)。
※開催日は変更になることがあります。詳細は久喜市社会福祉協議会の広報等をご確認ください。
今回はこの2か所で活動されているおもちゃドクターのみなさんにお話を伺い、修理の現場や、子どもたちとの心温まるやりとり、活動に込めた想いについて取材しました。

どんなおもちゃが来るの?

おもちゃの病院には、さまざまなおもちゃが“患者さん”としてやってきます。
多いのは、プラレールや動くぬいぐるみ、ラジコンなど。
電池で動くおもちゃや、音の出るおもちゃのトラブルが目立ちます。

中には、「昔おじいちゃんやおばあちゃんが遊んでいたおもちゃを、孫が使えるようにしたい」と、親子三代にわたって受け継がれるおもちゃが持ち込まれることも。
聞けば訪れる人の年齢幅は、なんと0歳から85歳まで!
お子さんやその保護者はもちろん、大人になっても“思い出の宝物”としておもちゃを持ち込む方もいます。

特にクリスマス前は来院が増える時期とのこと。
「押し入れから出したサンタの人形が動かなくなっていた…」と、数年ぶりに登場したおもちゃが故障していた、というケースも少なくありません。

ちょっとした電池切れから、経年劣化まで。
おもちゃには、それぞれの“物語”と“歴史”が詰まっています。

当日持ち込みでOK! “診察”の流れ

おもちゃの病院では、まるで本物の病院のように、「受付 → 診察 → 手術」の流れでおもちゃを直していきます。
まずは受付で、どこがこわれているかを丁寧にヒアリング。
「カルテ」と呼ばれる用紙に症状を記入し、ドクターによる診察が始まります。

この日も音の出なくなったピアノや動かなくなったラジコンカー、光らなくなってしまったコンパクトなど、さまざまなおもちゃが持ち込まれていました。

症状にもよりますが、その日のうちに“完治”するおもちゃが7~8割。
残りの2割ほどは、部品の取り寄せなどが必要なため“入院”となり、後日改めての「お迎え」となります。
直ったおもちゃをお渡しする際には、修理した箇所の説明と、使うときの注意点を記した「メモ」を丁寧に添えてくれます。
単に直すだけではなく、「安心して、長く遊んでもらいたい」という気持ちがそこに込められています。
受付は予約不要。
当日、こわれたおもちゃを持ってふらりと訪れるだけでOKです。

修理を待つ間、久喜おもちゃの病院では、1階の遊戯室や図書室で遊びながら待つ家族の姿が多く見られました。

また、栗橋おもちゃの病院では、プラレールの展示コーナーがあり、夢中になる子たちも多いのだとか。

印象的だったのは、受付で書かれるカルテの一枚。
ドクターがそっと書き添えた言葉は「宝物です」

ただのおもちゃではなく、子どもや家族にとってかけがえのない存在であることを、ドクターたちはちゃんと受け止めている。
そんなあたたかさが、あの1枚のカルテからも伝わってきました。

おもちゃドクターの想いとやりがい

おもちゃの病院で活躍する“ドクター”たちは、すべてボランティア。
元エンジニアや技術職の方、ものづくりが好きな方、地域のつながりを大切にしたい方など、さまざまな背景を持つ人たちが集まっています。
修理の現場では、既製の部品では足りないものを自作して直すことも。

手間をかけ、工夫をこらしながら、「また動いた!」という瞬間を目指して、一つひとつ丁寧に手を動かします。

そんなドクターたちの原動力は、直ったおもちゃを手にした子どもたちの笑顔。
「ありがとう」「また遊べる!」と喜ぶ姿を見ると、何よりのやりがいとのこと。

修理の様子を興味津々にのぞき込む子も多く、ドクターたちは「この子たちが、ものを大切にする心を少しでも育んでくれたら」と願いながら、活動を続けています。

この日も、「今日がデビューなんです」と話してくれたドクターがいました。
少し緊張した様子で、男の子が持ち込んだホームシアターのおもちゃを丁寧に分解。

症状は「音が出なくなってしまった」とのことでしたが、中を慎重に掃除していくと…
見事に音が戻り、無事に“治療完了”! ほっとした笑顔が印象的でした。
しばらくして、受け取りに来た男の子は、おもちゃが直っているのを見て「すごい!どうやって直したの?」と大喜び。
ドクターもにっこり笑顔で、その修理の工程をやさしく説明していました。

おもちゃドクター、募集中!

日本おもちゃ病院協会では、ドクターを目指す人に向けて2日間の養成講座を用意していて、基礎的な知識と技術を学んだあとは、現場で先輩ドクターと一緒に活動していくスタイルです。

取材中も、ドクター同士が盛んにアイディアや知恵を出し合って修理に取り組む姿が印象的でした。
「こうすればうまくいくかも」「この部品、昔の機種にも合うかも」と、 知識豊富な先輩たちが自然とアドバイスを送り合う姿に、あたたかさと頼もしさを感じました。

活動の頻度は月に数回、都合のつくタイミングで参加OK。
出張修理や電子工作教室などのイベントにも関われるため、 「ものづくりが好き」「地域で何か始めてみたい」という方にとっても、やりがいを感じられる活動になりそうです。
現在、ボランティアドクターは随時募集中。
申し込み・問い合わせは、久喜市社会福祉協議会で受け付けています。

工作教室や出張修理も!おもちゃの病院は地域とともに

おもちゃの病院の活動は、決まった場所での「開院」だけにとどまりません。
地域のイベントや施設に出向いておこなう出張修理や、子どもたち向けの電子工作教室など、多彩な取り組みもおこなわれています。
たとえば、夏休みにおこなわれる電子工作教室では、ドクターが用意したキットを使って、はんだごてで本格的な電子工作を体験。
おもちゃを直すだけでなく、“自分でつくる楽しさ”を感じられる人気イベントとなっています。

さらに、大人向けの電子工作教室も開催。
地域の方々が集い、ものづくりの魅力にふれる場にもなっています。

イベント会場では、Nゲージ(鉄道模型)の展示やプラレールコーナーも登場し、子どもだけでなく大人も一緒に夢中になる光景も見られるそう。
「やさしさときめき祭り」「フレンドシップ」など、地域の催しに参加することで、おもちゃの病院の存在を知ってもらうきっかけにもなっています。

おもちゃを直すだけでなく、人と人、世代と世代をつなぐ場所。それが、おもちゃの病院のもう一つの魅力です。

2025年の電子工作体験教室は、以下の日程で開催予定です。

日程場所
7月27日(日)鷲宮地区
8月3日(日)健康福祉センター(くりむ)ボランティア室
8月10日(日)菖蒲文化会館
8月11日(日)ふれあいセンター久喜

※内容は変更になる場合があります。詳細は社会福祉協議会の広報などでご確認ください。

まずは、相談から。

この日最後の“お迎え”に訪れたのは、
お孫さんの動かなくなったラジコンカーを持ってきた女性。
ドクターがスイッチを入れると、ラジコンカーが元気に動き出しました。
「よかった、これでまた遊べます〜」と安堵の笑顔を浮かべていました。

「これは直るのかな?」「ちょっと古いおもちゃだけど…」
そんなときこそ、まずは気軽に相談してみてください。
おもちゃの病院は、予約不要で当日の持ち込みOK。
基本的には無料で診察・修理をおこなっており、もし部品の交換が必要な場合でも、数百円程度の実費のみで対応しています。

なお、以下のようなおもちゃは修理対象外となっています。

  • エアガンなどの危険物
  • 高価なゲーム機・精密機器
  • 骨董的価値のあるもの
  • 熱を発するおもちゃ(アイロンなど)

安全面や部品の都合により対応が難しいとのこと。
ただし迷う場合は、一度相談してみるのもおすすめです。

実際には、「電池が切れていただけだった」ということも多く、ちょっとしたトラブルであればその場で完治することも。
また、メーカー保証の対象となる可能性がある場合には、その旨を丁寧に説明してくれるなど、 おもちゃにとってベストな選択肢を一緒に考えてくれるのも、この場所の魅力です。
直らなかったらどうしよう…と心配する前に、
大切なおもちゃのことを、一度話してみませんか?
久喜と栗橋には、頼れるおもちゃドクターたちが待っています。

病院名場所開催日
久喜おもちゃの病院久喜市立児童センター毎月第3土曜日
栗橋おもちゃの病院健康福祉センター(くりむ)毎月第1土曜日

開院時間13:00~16:00(受付終了15時)

開院情報/診療案内

久喜おもちゃの病院
住所:埼玉県久喜市吉羽1丁目40-14 久喜市立児童センター
アクセス:JR東北本線・東武伊勢崎線「久喜駅」東口より徒歩約16分
営業日:毎月第3土曜日
営業時間:13:00~16:00(受付終了15時)

栗橋おもちゃの病院
住所:埼玉県久喜市間鎌255-1 健康福祉センター(クリム)
アクセス:JR東北本線、湘南新宿ライン、東武日光線「栗橋駅」から徒歩約20分
営業日:毎月第1土曜日
営業時間:13:00~16:00(受付終了15時)
問い合わせ・ボランティア募集
0480-23-2526(久喜市社会福祉協議会)

◎知って楽しい久喜 すまいの相談窓口info とは

知って楽しい久喜 すまいの相談窓口info」は、久喜市の不動産会社 株式会社フジハウジングが運営する久喜市周辺の情報や住まいに関するあらゆる疑問や悩みを解決するための情報を発信しているサイトです。

フジハウジングでは一人一人のニーズに合わせたご提案を行い、住まいを通じた人生設計を支援しています。お部屋探し・テナント探し・アパートなどの賃貸管理・資産価値リフォーム・おうち探し・土地探し・不動産売却・相続対策・土地有効活用はフジハウジングにお任せください。

関連記事