【久喜】学校給食「食材費」高騰 保護者に上昇分は転嫁せず
梅田市長 市が全額負担を政治決断
依然として続く物価高のなか、久喜市は4月からの公立小学校・中学校の給食費の物価高騰分を父母に転嫁せず、市が全額負担する方針を固め、2024年度当初予算に盛り込んだ。当初市では食材費高騰分12%のうちの2%(年額約1,000円前後)を父母に負担を求める方針だったが、「子育て世帯に新たな負担は求めない」とする梅田修一・久喜市長の政治決断で全額市が負担することになった。
物価高は小康状態に入ったものの依然として続いている。総務省が昨年12月22日発表の2023年11月分「消費者物価指数」によると2020年を100として生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数は105.9で、前年同月比は3.8%の上昇となっている。
こういった物価高のなか、久喜市では昨年7月、学校長、保護者代表など14人で構成する「給食審議会」に今後の給食費の在り方を諮問。11月に「小学校は現行4,150円を4,660円、中学校は現行4,960円を5,580円に改定することが妥当」とする答申を受けていた。 これをそのまま実行するかが焦点となっていたが、梅田市長は「次代を担う子どもたちがいる子育て世帯を支援するため保護者に新たに負担を求めずその分も含めて食材費高騰分を全て市で負担する」と政治決断。結果、保護者負担は小学校、中学校とも現行通りとするとの考え方を12月議会で表明した。現在編成中の2024年度当初予算では食材費高騰分6,000万円の全額市負担を前提に作業が進められている。2023年度の久喜市の給食費総額は6億988万円だったが24年度当初予算はこれを上回ることだけは確実だ。
小林喜則・久喜市教育委員会学校給食課長は「今後も給食の質・量とも現行基準を守って日本一おいしい給食を児童生徒には出していく」と話す。
【加須市】1月~3月分が不足に 補正予算組み対応
一方、加須市は来年度の小・中学校の給食費(小学校は月額3,800円、中学校は月額4,400 万8,000円の不足が生じた。市ではこの分を保護者に転嫁せず、全額市で負担するとして12月議会に1月~3月までの賄材料費3,888万8,000円を補正予算として計上、議会の承認を得た。
同市では一昨年から続く物価高騰で2023年度当初予算に給食費総額を対前年度537万円増の4億2,898万円を計上した。ところがこれを上回る物価高騰の影響で、補正予算を組まざるを得なくなった。市では「物価が高騰したからといって現行給食の質・量を落とすことはしない」としている。
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