ジューシーでみずみずしく甘い梨
久喜の代表的な農産物に梨があります。収穫量、栽培面積などで県内トップクラスの久喜の梨。夏になると久喜では梨があちこちの農家で売られるようになります。
ジューシーでみずみずしく甘い梨は、一口食べると夏を感じることができます。わたしも大好きなくだもののひとつです。
今回はそんな梨を栽培している農家「渡邉梨園」さんにおじゃましてきました!
渡邉梨園の歴史と特徴
道路に面した入口には、看板や旗があり、おいしい梨が買えそうな予感…!

100年以上続く梨作りの伝統
埼玉県久喜市にある「渡邉梨園」は、100年以上の歴史を誇る老舗農園です。久喜市は県内でも屈指の梨の名産地として知られており、夏の風物詩ともいえる存在です。市内を車で走ると、季節になるといくつもの直売所が立ち並び、地元の人々だけでなく遠方から訪れる人々の目を引いています。
中でも渡邉梨園は、久喜市最大級となる約1.5ヘクタールの梨畑を有しており、世代を超えて受け継がれてきた農法と新しい技術を融合させながら、毎年高品質な梨を出荷しています。
はじめは90アール程度の規模だった梨畑も、2016年以降に徐々に拡大され、現在の広さに至りました。拡大と同時に品種改良にも力を入れ、代表的な品種「幸水」や「豊水」はもちろんのこと、「彩玉」や「甘太」など、埼玉県のオリジナル品種にも積極的に取り組んでいます。
このように、100年続く伝統の中にも進化を止めない姿勢が、地元でも信頼を集める理由の一つです。
沖積土壌が育む甘くてみずみずしい梨
渡邉梨園が位置する上清久(かみきよく)地域は、利根川や荒川などの河川によって形成された沖積土壌に恵まれています。沖積土壌は、有機物やミネラルが豊富で排水性にも優れており、果樹栽培に最適な土地として知られています。
この豊かな土壌で育つ梨は、糖度が高く、果肉はみずみずしくジューシー。シャリシャリとした食感とほどよい甘みのバランスが絶妙で、冷やして食べれば夏の暑さを忘れさせてくれる爽快な味わいです。
実際に訪れると、畑に広がる梨の木々の間をそよ風が抜け、どこか懐かしさと安心感のある風景が広がります。一年を通して手間暇かけて育てられた梨には、生産者の真心が詰まっていることを感じることができます。
栽培から収穫までの年間スケジュール
春から夏にかけての手間暇かけた作業
梨作りは、収穫の時期だけが忙しいわけではありません。実際には、1年を通して丁寧な管理が必要とされます。渡邉梨園でも、1.5ヘクタールもの広大な園地を維持し、高品質な梨を育てるために、季節ごとに多くの作業が行われています。
春、4月には交配作業が始まります。梨は自家受粉しにくいため、人工的に花粉を付ける必要があります。ミツバチの力を借りる自然交配と並行して、人の手で一つひとつの花に花粉をつける繊細な作業です。
5月に入ると、摘果作業が始まります。これは、実を間引いて、残った果実に栄養を集中させるための工程です。この摘果が甘さや大きさに大きく影響するため、非常に重要な作業とされています。
6月には「新梢管理」と呼ばれる作業が行われます。枝の伸び方や葉の付き方を調整することで、木全体に光が当たるようにし、病害虫の発生を防ぎます。7月には最終摘果を行い、形のよい実だけを残して収穫の準備が整います。
このように、春から夏にかけての数ヶ月は、まさに“育てる”という言葉がぴったりの丁寧な工程が続きます。どの作業も人の目と手で確認しながら行われるため、手間はかかりますが、その分、実った梨の味に違いが出るのです。
収穫期の品種と特徴
梨の収穫は、早いもので7月下旬から始まり、品種ごとに時期をずらしながら10月中旬ごろまで続きます。渡邉梨園では、以下のような多彩な品種が育てられています。
- 幸水(こうすい):収穫期は7月下旬〜8月上旬。果汁が豊富で、シャキッとした歯ごたえが特徴。
- 豊水(ほうすい):8月中旬〜下旬に登場。酸味と甘みのバランスがよく、根強い人気を持つ。
- 彩玉(さいぎょく):埼玉県のオリジナル品種で、糖度13〜14度と非常に甘く、大玉でジューシー。8月下旬〜9月上旬が旬。
- あきづき:9月上旬〜中旬。甘くて酸味が少なく、丸みのある形が特徴。
- 甘太(かんた):比較的新しい品種で、濃厚な甘さがあり食べごたえも十分。
- 新高(にいたか)、新興(しんこう):9月下旬以降に登場する晩生種。大玉で日持ちもよく、贈答用として人気。
品種によって食感や甘み、香りが異なるため、毎年食べ比べを楽しみにしている人も多く、リピーターが多いのも納得です。特に「彩玉」は埼玉県内でしか生産されておらず、ここ久喜市でしか手に入らないという限定感も魅力のひとつです。
100年続く農家でも新しい取り組みをされていてどんどん発展している様子がうかがえます。今後の渡邉梨園の発展にも注目したいですね!
直売所での購入体験:ずっしりとおいしそうな梨が!
直売所におじゃまするとたくさんの梨が並んでいました。


今回おじゃましたのが8月下旬だったので、埼玉県のオリジナル品種「彩玉」という品種が多く並んでいました。一つ一つが大きくてずっしりとした梨でとてもおいしそう!!
人気の品種とその味わい
直売所には、収穫時期に応じてさまざまな品種の梨が並びます。筆者が訪れたのは8月下旬で、その時期は埼玉県が誇るオリジナル品種「彩玉」がメインに並んでいました。
彩玉は一玉が非常に大きく、手に取るとずっしりとした重みがあります。糖度が13〜14度と高く、ジューシーで甘みがしっかりとありながらも、後味は爽やか。大きさと美しさから贈答用にも人気があります。
ほかにも、シャキッとした歯ごたえが心地よい「幸水」、やや柔らかめで甘さと酸味のバランスが良い「豊水」、まろやかな甘みの「あきづき」などが品種ごとに時期をずらして登場します。
袋入りで販売されている商品は、1袋に4〜5個ほど入っており、その日朝に採れたばかりの新鮮な梨が並びます。試食できる日もあり、自分の好みに合った品種を見つけやすいのも直売所ならではの魅力です。
購入者の中には、毎年複数回通ってすべての品種を試すというファンも多く、地元の農家ならではの濃密な関係性がうかがえます。品種の入れ替わりがあるため、こまめに足を運んでその時期ごとの旬を味わうのも楽しみのひとつです。
季節限定の楽しみ—焼き芋とお米
冬に楽しめる壺焼き芋の魅力
梨の季節が終わった後も、渡邉梨園では農の恵みを楽しめる取り組みが続きます。その代表が、冬季限定で販売される「壺焼き芋」です。
渡邉梨園では2022年からサツマイモの栽培をスタートさせ、本格的に壺焼き芋の販売を始めました。壺焼き芋とは、壺型の専用窯でじっくりと焼き上げる手法で、遠赤外線効果により甘さが引き出され、外は香ばしく中はねっとりとした食感に仕上がります。
使用されるサツマイモの品種は、糖度の高い「紅はるか」など。1本1本丁寧に熟成された芋は、まるでスイーツのような自然な甘さが特徴です。しかも、久喜市内では壺焼き芋を販売している農園はまだ少なく、希少な存在といえます。
販売は冬の寒い時期限定ですが、SNSなどで告知されるとすぐに完売してしまうこともあり、リピーターが増え続けています。暖かい芋の香りがただよう直売所には、梨の時期とはまた違った魅力が広がります。
寒い日にほくほくの壺焼き芋を片手に、渡邉梨園の冬の風景を楽しむのもまた一興です。
壺で焼き上げる焼き芋は想像するだけでとってもおいしそうですよね。寒くなってきたら焼き芋も買いに行ってみたいと思います♪
自家栽培のお米の特徴
さらに、渡邉梨園ではお米の栽培も行っており、一年を通じて地域の味覚を楽しむことができます。梨畑と並行して育てられているお米は、地元久喜市の気候や水に適した環境で育成されており、収量よりも「味」を重視した丁寧な栽培が行われています。
収穫されたお米は直売所での販売のほか、イベントや限定出荷でも提供されています。梨を買いに訪れた際に一緒に購入する人も多く、梨とお米をセットにして贈答用に利用されるケースも見られます。
梨の農園という枠にとどまらず、通年で地元農産物を提供する場としての役割を担っているのが、渡邉梨園の大きな特徴です。季節ごとに違った味わいと出会えるからこそ、訪れるたびに新しい発見があります。
お取り寄せと贈答用の情報
注文方法と注意点
渡邉梨園では、現地の直売だけでなく、一部の梨や焼き芋・お米についてはお取り寄せの対応も行っています。例年、梨の収穫がピークを迎える8月から9月にかけて、地方発送の受付が本格化します。
注文は電話や公式SNS経由での問い合わせが基本となっており、近年はInstagramのDMから注文・在庫確認を行うお客さまも増えています。タイミングによっては売り切れてしまうこともあるため、希望の品種がある場合は事前の確認が推奨されます。
また、梨は鮮度が命の果物のため、発送時期や保存方法に注意が必要です。渡邉梨園では、その日に収穫したものをその日のうちに出荷するなど、フレッシュさを保つ工夫がなされています。クール便での発送や、日付指定の対応も柔軟に行っており、到着後すぐにおいしい梨が味わえると好評です。
焼き芋やお米に関しても、季節限定・数量限定での受付が基本で、販売開始のタイミングはSNSなどでアナウンスされます。とくに壺焼き芋は人気が高く、予約や取り置きを希望する声も少なくありません。
贈答用に最適な商品の紹介
大玉で見栄えのする彩玉や新高などは、贈答用としても非常に人気があります。贈答用商品には化粧箱入りでの梱包や、のし対応などのサービスもあり、お中元や敬老の日、企業の季節ギフトとしても好評です。
特に地元埼玉県産のオリジナル品種である彩玉は、希少性が高く「埼玉でしか買えない特別な梨」として喜ばれることが多いです。数に限りがあるため、事前予約をおすすめします。
また、焼き芋も冷凍パックにして地方発送に対応しており、贈り物や帰省時の手土産としても人気が広がっています。自然な甘さと手作り感が伝わる焼き芋は、健康志向の方にも好まれる逸品です。
セット商品として、梨とお米の詰め合わせや、季節に応じたギフト提案も行っており、贈る相手に合わせたカスタマイズも相談可能です。
みずみずしく甘い梨をいただきます!
さっそく購入してきた梨をいただいてみたいと思います。

今回は袋入りの梨を購入してきました!
一袋には4~5個ほどの梨がはいっており、どれも朝採れたての新鮮な梨だそうです。やっぱりくだものは新鮮なものがおいしいですよね。手にとってみると、一つ一つが大きくしっかり重さがあります。

「彩玉」という品種は埼玉県のオリジナル商品です。彩玉は県農林総合研究センター園芸研究所(現:埼玉県農業技術研究センター久喜試験場)で育成された品種で生産は埼玉県内に限定されています。
一つの玉の大きさが大きいことと糖度13度~14度という甘さやジューシーさが特徴の梨だそうです。埼玉でしか購入できない梨ということでどんな味なのか、期待が高まります…!
実際にいただいてみると、シャリシャリした食感とさっぱりとした甘さがとてもおいしかったです!一袋に5個ほど入っていましたがあっという間になくなってしまいました。埼玉県で梨を買うならぜひ一度は試していただきたいです。
また、彩玉以外の他の品種も順番に出てくるので、いろいろな品種を食べ比べるのも楽しそうですね!
今回は夏のくだもの梨の農家「渡邉梨園」さんをご紹介しました!農家さんが丹精こめて作ったくだものはやっぱりおいしいですね。埼玉県のオリジナル品種も購入できるので、お近くに来た際にはぜひ一度立ち寄ってみてくださいね!
営業時間とアクセス
渡邉梨園では、収穫期の7月下旬から10月中旬まで、農園の敷地内に設けられた直売所で梨を購入することができます。採れたての梨が並ぶ直売所は、地元の常連客はもちろん、口コミやSNSで知った県外からの来訪者で賑わいます。
直売所の営業は例年、13時から17時まで。梨の生育状況や天候により営業日・時間が変更になることもあるため、訪問前に公式SNSやGoogleマップの営業情報を確認しておくのがおすすめです。春から初夏にかけて(3月〜7月)は梨の出荷がないため基本的に休業となっています。
アクセスも良好で、東北自動車道・久喜ICから車で約1.2kmと好立地。駐車スペースもあるため、家族連れでも立ち寄りやすく、ドライブの途中に梨を買って帰るのにも便利です。
渡邉梨園
住所:埼玉県久喜市上清久80
TEL:0480-23-5371
アクセス:東北自動車道下り久喜IC降りて1.2㎞
営業時間:13:00~17:00 3月~7月は休業(梨の収穫などによって営業日時の変更の可能性があるため詳しくはHPやSNSを参照ください)
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