今回紹介するのは、毎年12月に鷲宮神社でおこなわれる「酉の市」です。
関東地方を中心に開催され「酉の市」として親しまれている祭礼ですが、鷲宮神社では神社の名にちなんで「大酉祭」としています。
神社の祭礼である「大酉祭」は、2024年12月11日(水)におこなわれました。
国指定重要無形民俗文化財に指定されている神楽や、酉の市限定で販売されている熊手などについて紹介させていただきます。
鷲宮催馬楽神楽(わしのみやさいばらかぐら)
日本を代表する神事芸能である神楽とは、神をまつる音楽や舞のことです。
(引用:久喜市立郷土資料館パンフレット)
鷲宮神社に伝わるこの神楽は、国の重要無形民俗文化財に指定されています。一般に「鷲宮催馬楽神楽(わしのみやさいばらかぐら)」といい「土師一流催馬楽神楽(はじいちりゅうさいばらかぐら)」ともいいます。
鷲宮催馬楽神楽では、舞人が曲目により1〜4名登場しました。さらに小太鼓、大太鼓、大拍子、笛の奏者がそれぞれ1名ずついて、曲目ごとに優しい音色を響かせていました。
大酉祭では、13曲目が用意されているとのことで1曲目10分程度でおこなわれていました。
神楽は年6回おこなわれており、開催時間は午前11時ごろから午後3時ごろまでとなっています。
1月1日のみ午前0時ごろから午前3時ごろまでの時間帯も追加され2回おこなわれます。
私が今回拝見した曲目は、第一座「天照国照太祝詞神詠之段(あまてるくにてるふとのりとしんえいのまい)」と第二座「天心一貫本末神楽歌催馬楽之段(てんしんいっかんもとすえかぐらうたさいばらのまい)」でした。
第一座は神楽の最初で「今日、これから神様へお神楽をおあげしますが、安全でありますよう、よろしくお願い申し上げます」とごあいさつをしている曲目になります。
女性の舞人がゆっくりと静かに祝詞を読み上げ、神楽歌などを謡(うた)っていました。
第二座は、建築するにあたって「清めの舞」といわれ、建物を建てる際にその土地や空間を浄め神々の加護を祈る舞とされています。
舞人は2人出てきて、山雷神(やまいかつちのかみ)は榊(さかき)と鈴を、野槌神(のづちのかみ)は篠と鈴を持って舞っていました。
曲目ごとにちがう雰囲気を感じることができ、初めて見た神楽で伝統を感じるステキな時間でした。
地域の方たちも神楽を楽しみにしており、家族やカップル、老夫婦と年齢問わずたくさんの方が訪れていました。
大酉祭の熊手
普段お守りを売っている露店には5種類の熊手が飾られていました。
熊手は「福をかき集める」という商売繁盛の縁起物として親しまれています。
小判、打ち出の小槌、しめ縄、米俵など、大きさによって取り付けられている縁起物が異なるため、購入の際には自身の願いにあった縁起物がついている熊手を選んでみてくださいね。
この日気になったのが、「カッコメ」という名前で置かれていた熊手です。
神社の方に聞くと、熊手と同じご利益があるとのこと。
地域によっては熊手を「カッコメ」と呼ぶことがあるそうで、熊手の他にカッコメを用意したとのことでした。
今回はこちらのカッコメを購入し、自宅の神棚にお祀りしました。
12月の鷲宮神社
境内は澄み切った空気が流れており、身も心も洗われる気がしました。
この時期は鳥居をくぐってすぐの大木の銀杏がきれいに紅葉しており、参拝する人々を迎えているようです。
天気のいい日に参拝すると、紅葉した銀杏の黄色が青空に映えており、思わず足を止めて見上げる人がたくさんいらっしゃいました。
駐車場も完備されているので遠くから車でいらっしゃる方も安心して参拝できます。
駐車場にも余裕があり、神楽は途中からでも観覧が可能ですので、毎年12月に開催されている大酉祭に足を運び、一度は無形文化財を堪能してみてください。
鷲宮神社
住所:埼玉県久喜市鷲宮1丁目6-1
アクセス:東武伊勢崎線「鷲宮駅」から徒歩約10分
TEL:0480-58-0434
駐車場:あり