久喜市は、自然の恵みが豊かで、どこかホッとするような温かい雰囲気が魅力です。特に秋から冬にかけて、街中でふと出会う「香ばしい香り」には、心まで温められるような特別さがあります。

鷲宮駅から徒歩約8分の住宅街の一角で、ひときわ優しい香りを漂わせている新しいお店、焼き芋販売の「わしいも屋」を訪ねました。

店先に立つオーナーの柔らかな眼差しと、そこに集まる人々の笑顔を見て、「このお店こそ、久喜での暮らしを彩る”小さな幸せ”そのものだな」と感じました。

今回は、私が心からみなさんにご紹介したいと感じた、地元農家が手掛ける温かい焼き芋屋さんを、その背景にある物語とともにお届けします。

久喜への愛がきっかけ!「わしいも屋」が生まれた理由

「わしいも屋」は、ただおいしい焼き芋を売るお店ではありません。この事業の背景には、久喜市に移住したサラリーマン二人による農業プロジェクト「346FARM」の存在があります。

「346FARM」は、畑の開墾や子どもたちに食への関心を高めてもらうことを目的に年2回農業体験を開催しています。さらに自ら育てた安心安全な野菜を中心に「メイドイン久喜」の商品を開発・販売する活動をしています。この度、手作り野菜を一番おいしい形に変えて新しく焼き芋販売をスタートさせました。

2025年11月19日のオープン以来、このお店が大切にしているのは、地元との繋がりです。346FARMで採れたさつまいもはもちろん、地元の事業者さんや農家さんの商品も積極的に取り扱っています。

これは、焼き芋を通して、久喜市の「おいしいもの」や「ステキな人」に触れてほしいという、オーナーの優しい想いがあるからです。

毎週水曜日のみの営業にもかかわらず、すぐに「接客が丁寧で気持ちが良い」「心から焼き芋を愛しているのが伝わる」と話題に。オーナーの親しみやすい笑顔が印象的なキッチンカーを訪れるたび、久喜という街の温かさを再確認できるような、地域に根差した場所となっています。

香ばしさと優しい甘さ……オーナーが選んだ「石焼き芋」の深い理由

「わしいも屋」では、石焼き芋の機械を導入しています。最近は壺焼き芋も人気ですが、オーナーには石焼きに込めた、特別な思いがありました。それは、単に焼き方を迷ったというよりも、「空間」を創りたかったからだそうです。

「住宅街の一角で、お芋が焼ける香ばしい香りが漂い、そこに人が集まってコミュニケーションが生まれる、そんな空間にしたかったんです。あつあつの焼き芋を茶色の紙袋に包んで、それをうれしそうに抱える姿を見たいなって思ったんです。」

オーナーが目指したのは、香ばしい香りに誘われて自然と人が集まり、顔を合わせて会話が生まれる、昔ながらの温かいコミュニティの場。

石焼き芋は、高温に熱した石でじっくりと火を通すことで、独特の香ばしさと、さつまいも本来の甘みを最大限に引き出します。オーナー自ら買い付けに行き、農家として厳選したさつまいもを、約1時間かけて丁寧に焼き上げる。この丁寧な工程が、優しい甘さとホクホクとした食感を生み出しているのです。

私が訪れた予約時間にも、途切れることなくお客様が来店され、予約なしで購入される方も多く見受けられました。

小さなお子様が「お菓子よりお芋が好き!」と笑顔で話している姿は印象的で、すぐさまリピーターになっている様子からも、この焼き芋が多くの人に愛されていることが伝わってきました。

じっくり焼かれた美しい色のお芋を、ぜひ体験してみてくださいね。

ワンちゃんも家族も一緒に味わえる、自家栽培の優しいクッキー

「わしいも屋」の魅力は、人間だけでなく、大切な家族である愛犬にも向けられています。それが、自家栽培さつまいもを使った、米粉とさつまいもの犬用クッキーです。

使用されているのは、自家栽培で栽培期間中農薬不使用のさつまいもと、北海道産の米粉のみ。ワンちゃんの健康を第一に考え、砂糖、小麦粉、保存料、添加物は一切使われていません。

素材を厳選し、人間用のお菓子を製造するラインで作られるヒューマングレード商品であるため、飼い主さんが安心して、ワンちゃんと一緒に食べることができます。実際の味は薄味ながら、さつまいもの自然でほのかな甘みが感じられ、とてもおいしく、体に優しい味わいとのことです。

久喜市の恵みである、無農薬栽培のさつまいもを、愛する家族と分かち合える。そんな喜びを感じさせてくれる一品です。

ご訪問の際は、ぜひこちらのメニューと営業カレンダーもご参照ください。入荷次第で販売する焼き芋の品種は変わるため、インスタでもお品書きを紹介しています。

数に限りがあるため、確実にお渡しできるよう前日までにインスタのDMからの予約をおすすめしています。販売されているお芋の種類や、営業日をチェックしておくと安心ですね。

焼き芋との相性抜群のホットコーヒーとホットティーの用意もあるので、寒い時期でも身体を温められそうです。

「わしいも屋」は、おいしい焼き芋だけでなく、オーナーの地域への想いや人柄、そして温かい交流が生まれる空間を提供してくれます。住宅街に漂う香ばしい香りに誘われて、ふらっと立ち寄る。そこで交わす挨拶や笑顔が、きっと久喜での暮らしをより豊かにしてくれるでしょう。

この街に住んでいてよかった、こんな温かいお店がある街に住んでみたい。そう感じさせてくれる「わしいも屋」に、ぜひ足を運んでみてください。

わしいも屋
住所:埼玉県久喜市上内1769-6
アクセス:東武伊勢崎線「鷲宮駅」東口から徒歩約8分
営業時間:毎週水曜日15:00-18:00
駐車場:あり(1台)