今回は、久喜駅から歩いて30分のところにある焙煎珈琲の販売所「自家焙煎たいむ」をご紹介します。
地域の方も足しげく通うコーヒー焙煎所
埼玉県久喜市に位置する「自家焙煎たいむ」は、生活介護事業所「ツリーぴあ」に通う利用者の方々が携わる珈琲販売所。静かな住宅街の一角にひっそりとたたずんでいます。
ツリーぴあの方たちとベテランの焙煎士が協力し、手間をかけて焙煎した珈琲豆が購入できる場所として、地域に根差しています。
「自家焙煎たいむ」の外観は、周囲の住宅街に自然と溶け込むような控えめでシンプルなデザインです。
店の前に掲げられた「珈琲豆」と書かれた旗が目印となっており、一度見つけてしまえばその存在感を感じることができます。
ドアを開けると、スタッフさんが温かい笑顔で出迎えてくれました。
店内に入ると、木を基調とした温かみのあるインテリアで統一されています。まるで自宅にいるかのような、どこか懐かしく親しみやすい雰囲気に心が和みます。
お店の中にいると、ふんわりと漂う焙煎された珈琲の香りが広がっていました。
店内にはちょっとした休憩スペースがあるので、お客さんは自分が注文した豆が用意されるのを、珈琲の香りに囲まれながらゆっくりと待つことができます。
ちょうど焙煎している姿を拝見!
この店の運営元である「ツリーぴあ」は、生活介護を提供する施設。利用者と地域の方々との交流を目的として運営されています。
自家焙煎たいむで提供される生豆の選別をするのは、「ツリーぴあ」に通う利用者の方々です。
私が訪問した際にも、利用者の方が一粒一粒の豆を慎重に選別している姿が見られました。
珈琲豆はそのままだと、未熟な豆や発酵しすぎた豆などいわゆる「欠点豆」が混じっているそうです。
欠点豆があると焙煎の際に均一に火が通らず、味にムラが出ることもあるそう。
品質を保つためには、生豆の選別はかかせない過程の一つです。
利用者の方々は、サンプルを見ながら豆の状態をしっかりと確認し、品質を保つために細心の注意を払って作業に取り組んでいらっしゃいました。こういったプロセスこそが、こだわりの詰まった一杯の珈琲を生み出すための大切な工程なんだなと改めて感じました。
ツリーぴあに通う利用者の親御さんが、施設への送り迎えの際に立ち寄って珈琲豆を購入したりしていました。ほかにも、地元で働くビジネスマンや主婦たちも仕事の合間にふらっと訪れるなど、幅広い年代層に愛されているお店だそうです。
店内で購入した豆を持ち帰り、自宅でゆっくりと淹れる楽しみを味わう常連客も多いそうです。
コーヒーはそれぞれ試飲ができるので、気になるフレーバーがあれば、試してから購入することもできます。
担当スタッフさんの親しみやすさにほっこり
店内で焙煎を担当するスタッフも、ツリーぴあの職員や焙煎士が交代で対応しています。
私が訪れた日には、もともと久喜市内で小学校の先生をしていたという方がいらっしゃいました。
その方は、定年退職後も人と関わる仕事を続けたいという思いから、この店で働いているそうですよ。
長年、教育の現場で培ってきた温かさと優しさが接客にも表れており、親しみを感じさせる雰囲気が漂っていました。そんな姿に私もほっこりとした気持ちになります。
スタッフのみなさんはとてもフレンドリーで、気さくに話しかけてくれます。お客さんとの会話が弾む中で、お店のこだわりや珈琲に対する情熱が伝わってくるのも、このお店の大きな魅力の一つです。
地元の人々が集うこの場所は、珈琲を買うだけでなく、心地よいコミュニケーションが生まれる場にもなっています。
店内でのゆったりとしたひとときは、忙しい日常から少し離れ、リラックスした時間を楽しむことができる場所でした。
みなさんも、お近くに寄られた際はぜひ立ち寄ってみてくださいね。
自家焙煎たいむ
住所:埼玉県久喜市下清久626-35
アクセス:JR宇都宮線「久喜駅」より徒歩約30分
TEL:0480-21-7238
営業時間:(平日)09:00~12:30、(土曜)12:00~15:30
定休日:日曜・祝日・お盆期間・年末年始