菖蒲地区で古くから地元の人に親しまれている長福寺では、年明けの1月3日に「万灯会」という行事が行われています。
今回はこの万灯会の幻想的な風景と共に、一緒に開催された「おひさまマルシェ」のワークショップや地元店のキッチンカーについてもご紹介します。

万灯会とは
「万灯会」とはいくつもの灯明をともして仏菩薩に供養を営む行事のことです。

全国的には夏のお盆の時期に行われることが多いこの行事。
長福寺では本尊である毘沙門天の冬の御開帳に合わせて、4年前から1月3日にこの万灯会が開催されるようになりました。
長福寺はのご本尊は「毘沙門天」
モラージュ菖蒲から5分ほどのところにある長福寺。真言宗智山派の寺院で、埼玉県では珍しく毘沙門天をご本尊としているお寺です。

毘沙門天は七福神としても知られており、北の方角を守護し、財宝の神様としても知られています。「木造毘沙門天立像」は久喜市指定文化財であり、普段は秘仏となっていますが、お正月三が日とお盆の4日間のみ御開帳されています。
境内へ続く道にも多くの竹灯篭が飾られています。
灯篭の点灯は辺りが暗くなる17時からということで、それまではキッチンカーやワークショップを楽しむことにしました。
キッチンカー「346farm」

「346farm」は、「メイドイン久喜」を合言葉に、自社農園で育てた野菜や食材を提供するプロジェクトです。看板商品は、自家栽培したさつまいもを使った「さつまいもバスクチーズケーキ」。久喜のふるさと納税返礼品にも選ばれています。
今回は自家栽培したお野菜がたっぷり入った豚汁をいただきました。

寒さ厳しい冬空の下でいただく熱々の豚汁は格別のおいしさで、周りの家族連れも「あったまるね~」と笑顔で食べていました。
「おひさまマルシェ」のワークショップ
室内では「おひさまマルシェ」主催のワークショップも開催されていました。
おひさまマルシェは、ベビーマッサージ講師の先生を中心に始まった活動で、
「ママたちの笑顔」、「子どもたちの成長」、「出展者みんなの笑顔」を大切にしながら、久喜を中心に各地でイベントの開催をしています。
今回のワークショップでも、小さなお子さんや親子連れのみなさんが、アットホームな雰囲気の中で楽しんでいる様子があちこちで見られました。
「坂田畳店」コーナーでは、手作り畳コースター作りを楽しみました。
創業141年を誇る坂田畳店は、久喜で最も古い歴史を持つ畳屋さんです。
この体験は、子どもたちにも畳をもっと身近に感じてもらいたいという思いから始められたそうです。

本物のい草を選び、好きな縁(へり)のシールを選んで作る体験です。
作業中は、い草の心地よい香りが漂い、癒されます。


慎重に張り付けて完成!出来上がったコースターは、ちょっとした小物を置いて飾るだけでも雰囲気が出そうで、とてもステキな仕上がりになりました。
「アトリエうささ」コーナーでは、手作りのパッチワークやキルティングを使ったかわいらしい小物やポーチが販売されていました。

今回は、その中で小花を作るワークショップを体験しました。

見た目が少し難しそうに思えましたが、すでに作られた布製のお花から好きな柄や組み合わせを選び、竹の枝先に差し込むだけなので、不器用な私でも簡単に作ることができました。


最後にみゃーずさんの占い。予約はすべて埋まってしまうほど大人気で、今回は残念ながら参加できませんでしたが、占いの最中に聞こえてきたみなさんのリアクションだけでも、その楽しさが伝わってきました。
今回作った畳コースターや小花は、その後、自宅でこんな風に飾って楽しんでいます。
自分で作ったものって愛着が湧いて、うれしいですよね。


時刻は17時、いよいよ点灯
日が暮れ始めた17時になると住職さんが鐘を鳴らします。

お経の声が響くなか、ひとつ、またひとつと灯篭に灯りがともされはじめました。

阿弥陀堂や、境内の愛宕神社のお堂の周りや階段にも、ろうそくと竹灯籠の灯りがともされていきます。

竹灯篭は住職や地元の総代さんによって手作りされたもので、おおよそ600個近くの灯りが冬の夕闇を照らす光景は、まさに幻想的です。

辺りが次第に暗くなるとともに、多くの参拝者が集まり始めました。

特に、こちらの令和7年の蛇年を象徴する竹灯篭は大きく、その存在感に多くの参拝者が「すごいねぇ」と声を上げ、記念写真を撮影していました。

各地に配置され、ともされた赤や青の唐傘はとても美しい風景を作りだしています。

竹灯籠にはひとつひとつ思いが込められ、透かし彫りが施されています。さまざまな模様が施されており、見ていると飽きることがありません。
ご本尊「毘沙門天」の御開帳

こちらが、限られた時期のみ御開帳されるご本尊の木造毘沙門天像です。
両脇に地蔵菩薩と不動明王も安置されています。
ほのかな灯りに照らされるお姿が、崇高でありながらも温かみを感じさせ、参拝者の心を引き寄せていました。
子どもたち手作りの竹灯籠

本堂では地元の子どもたちが手作りした竹灯籠が飾られていました。住職さんにお話を伺ったところ、竹は乾燥すると割れやすいため、灯篭作りや保管にかなりの苦労があったそうです。お地蔵様や桜の模様など、ひとつひとつに込められた想いが感じられ、一生懸命作ったのだろうなと伝わってきます。
キッチンカー「ショコラCAFE」

18時を過ぎると、参拝者の数もピークに達しました。そんな中、行列ができていたのがショコラCAFEさんのクレープです。ふわふわでモチモチした自家製生地が特徴のクレープは大人気で、私もいただいてみました。

たっぷりのクリームと生地のモチモチ感が絶妙にマッチして、とてもおいしかったです。
新年の願いを込めた万灯会
地元の方々が多く参拝され、新年の挨拶を交わす声も聞こえてきました。幻想的な風景を楽しみながら、新年の幸せを願う参拝客の姿が見られました。
毎年1月3日に開催される菖蒲・長福寺の万灯会。毘沙門天の御開帳と合わせて、この時期にしか見ることができない灯りに包まれた美しい景色が広がります。
ぜひ来年、足を運んでみてはいかがでしょうか。

長福寺
住所:埼玉県久喜市菖蒲町菖蒲4531
アクセス:<電車の場合>JR東北本線・東武伊勢崎線「久喜駅」西口、朝日バス「仲井」下車 徒歩6分
<車の場合>圏央道白岡菖蒲インターから7分
TEL:0480-85-0760
開催期間:毎年1月3日に開催予定