葛飾北斎。
その力強い線と、波や雲までも生き物のように捉える独特の構図は
「風景を“写す”のではなく“躍動そのもの”として描いた」と言われます。

そんな葛飾北斎が、もし久喜を歩き、
8つのスポットでスケッチブックを開いたら——?

今回は、
旧ChatGPT版(2025年5月)
Gemini最新版(2025年12月) を比較しながら
“AIが描く葛飾北斎の久喜”をご紹介します。

1. ラベンダー畑 × 葛飾北斎

原画
  

ChatGPT
(2025年4月)

Gemini NanoBanana(2025年12月)

旧作では全体的に黄色がかっていてクーピーで描いたようなタッチでしたが新作では葛飾北斎の代表作神奈川沖浪裏(神奈川沖波裏)が盛り込まれています。色彩も濃淡が豊かになり、空や海のグラデーションが深まり、画面全体が大きくうねるような北斎特有のエネルギーが強調されています。静と動が共存する、より壮大で開放的な表情へと進化しています。

2. 鷲宮神社 × 葛飾北斎

原画
  

ChatGPT
(2025年4月)

Gemini NanoBanana(2025年12月)

旧作の鷲宮神社は、鳥居や本殿の輪郭が太めでやや硬く、空や雲の動きも控えめでした。
伝統的な神社の“静けさ”は表現されていましたが、北斎らしい“勢い”はまだ弱め。

最新Gemini版になると、鳥居の線の強弱が美しく、木々の葉にまで北斎のエッジが効き、空には大胆な筆致の雲が流れます。静かな神社に、「ああ、北斎が描けばこうなるのか」という力強さと品格が加わる仕上がりになりました。

3. 久喜市役所 × 葛飾北斎

原画
  

ChatGPT
(2025年4月)

Gemini NanoBanana(2025年12月)

旧作では、市役所の外観がやや無機質で、北斎が得意とする“装飾的な線のリズム”や“雲と樹木の躍動”が控えめでした。建物の存在感はあるものの、浮世絵としての物語性が少し弱かった印象です。

新Gemini版では、北斎の代表作を思わせる雲の渦、波の形、松のフォルムが建物の周囲に自然に溶け込み、画面にゆるぎない力強さが加わりました。構図全体に“北斎らしい呼吸”が生まれ、建物そのものが浮世絵の世界観の一部として調和。人物の配置や影の落ち方も洗練され、市役所がまるで江戸期の名所として描かれたような説得力を獲得しています。

新作は「現代建築×北斎の語法」の完成度が高く、視覚的にも非常に心地よい仕上がりです。

4. 久喜提灯祭り × 葛飾北斎

原画
  

ChatGPT
(2025年4月)

Gemini NanoBanana(2025年12月)

旧作では、提灯の光がやや均一で、北斎特有の“面で捉える明暗”や“勢いの線”が控えめでした。山車の迫力も平面的で、祭りの熱気が画面に溜まりきらず、どこか静かな印象が残ります。

新Gemini版では、提灯の灯りが立体感を帯び、ひとつひとつが脈打つように輝き始めます。人物の動きや衣のしわにも北斎らしい鋭い線が入り、群衆のエネルギーが画面全体に広がっていきます。背景の空、雲、家並みまでもが北斎流のリズムで呼吸し、“江戸のまつり絵”としての生命力が大幅にアップ。

まさに「北斎が久喜の祭を描いたらこうなる」という説得力を放つ仕上がりです。

5. 青毛堀川の桜並木 × 葛飾北斎

原画
  

ChatGPT
(2025年4月)

Gemini NanoBanana(2025年12月)

旧作では、桜や川の流れがやや単調で、北斎特有の“うねるような線”や“リズム感”が控えめでした。
水面の光も平坦で、構図全体が少し硬い印象。新Gemini版になると、桜のひらめきや川辺の奥行きが安定し、風景に“北斎らしい躍動”が少しずつ宿りはじめます。また、水面の反射、雲の形、木々の勢いまで北斎の浮世絵に見られる力強いリズムが鮮明に。川の流れが線のうねりとなり、春の光が絵全体に広がるような仕上がりで、まさに“北斎が描いた青毛堀川”と呼べる完成度です。

6. 久喜菖蒲公園 × 葛飾北斎

原画
  

ChatGPT
(2025年4月)

Gemini NanoBanana(2025年12月)

旧作では、菖蒲の花や池の水面がやや平面的で、北斎特有の“鋭い線の勢い”や“構図の躍動感”が抑え気味でした。花の群生も均一で、池の奥行きや風の流れがあまり感じられず、画面全体が静かにまとまりすぎていた印象があります。

新Gemini版になると、花びら一枚一枚にリズムが生まれ、菖蒲の群れがまるで波のようにうねり始めます。水面の反射は北斎らしい大胆なコントラストで表現され、空・雲・木々までが浮世絵の線で呼吸するように動き始めます。池の奥へ視線を引き込む“北斎流の遠近法”が強まり、風景に力強い生命力が宿りました。

春の光が画面の端々にまで広がり、“北斎が菖蒲公園を描いたらこうなる”と感じさせる完成度へ。

新作は、自然の動きと人の気配がより豊かに調和し、久喜菖蒲公園が“現代に蘇った浮世絵の名所”として描かれています。

7. 久喜駅 × 葛飾北斎

原画
  

ChatGPT
(2025年4月)

Gemini NanoBanana(2025年12月)

旧作では、久喜駅の建物がやや“建築図面のような硬さ”をまとっており、北斎特有の波打つ線や大胆な遠近表現が十分に発揮されていませんでした。駅前の人物も単調で、浮世絵らしい強弱のついた描線が弱く、全体として“北斎らしさが薄い”仕上がりになっていました。新Gemini版では、建物の輪郭や影の落ち方が丁寧になり、色のグラデーションも改良されましたが、依然として 「北斎の駅」という決定的な個性には届いていない というのが正直なところです。
空の濃淡や雲の形に北斎的リズムはあるものの、駅舎の直線的な構造が優先され、北斎らしい誇張や“うねる線”が抑えられています。

つまり、久喜駅は北斎の世界観に乗せるのが最も難しい題材
北斎の自由な線と、駅舎の直線的で現代的なデザインが噛み合いにくいのが原因です。

ただ、新Gemini版では色調・空気感・樹木の描き方など、浮世絵の要素は確実に強まり、「北斎が現代建築を描くなら、こう試行錯誤するだろう」と感じさせる部分も見えてきます。

8. 権現堂 × 葛飾北斎

原画
  

ChatGPT
(2025年4月)

Gemini NanoBanana(2025年12月)

旧作では、菜の花と桜のコントラストは生きているものの、桜の枝ぶりや背景の山の線が単調で、全体がやや“印象画的”なまとまりに。

最新Gemini版になると、菜の花のひと粒ひと粒に至るまで繊細な線が入り、桜も北斎特有の“うねる枝ぶり”になり、風景全体がグッと引き締まります。

空の塗りは薄く滑らかで、景色が風とともに動き出すような、北斎らしい生命感のある作品に進化しました。

おまけ

実はこの2枚、ChatGPTに北斎の自画像を描いてとお願いしたらできた生成画像。
7か月で筆圧や色の鮮明さもパワーアップしました。
両者とも特徴を捉えているのにここまでの再現度には驚かされました。

まとめ

旧作では、現代的な風景を北斎風に落とし込む際に、線の抑揚やリズムが控えめで、画面がやや平面的になりがちでした。しかし、新Gemini版では、雲・波・樹木・人物・建物に至るまで、北斎が用いた“うねる線”“力強い明暗”“構図の躍動”が随所に息づき、現代の久喜の風景が本物の浮世絵さながらの世界観へと昇華されています。

どのスポットも、背景と構図がよりドラマチックに結びつき、「北斎が現代の久喜を見たら、こう描いただろう」という説得力を帯びたアップデートに。

新作は、単なるスタイル模倣を越え、“北斎の筆致で描かれた新しい名所図会”と呼べる域に達しています。

これからもAIの進化は続きます。
AIを活用した明るい未来を期待したいと思います。