知って楽しい久喜では、今回の衆議院選挙に合わせ、久喜市(埼玉13区内)における選挙候補者の方にお話を伺い、市民の方に候補者の政策やお考えについて詳しく正確な情報を知って頂く機会を提供いたします!

第二回目として、日本維新の会公認の中原よしむねさんに政策やビジョンについて詳しくお伺いするため、インタビュー取材をお願いさせて頂きました。

聞き手:藤田 田(株式会社フジハウジング代表取締役) 

埼玉13区内で、不動産会社(久喜市)、私立幼稚園(杉戸町)、介護老人保健施設(宮代町)など複数の事業を経営。埼玉13区の今後の動向について大きな関心を持っている。上智大卒。社会福祉法人大樹会 理事。久喜市空家等対策協議会 委員(2020-2024)

衆議院選挙2024の争点「VS裏金政治と政治改革」

本日はお忙しい中お時間ありがとうございます。今回、4年に1度の選挙ですので、市民の方に自分の選挙区の候補者がどういった想いで政治に向き合っているのか理解していただくことはすごく大切だと考えています。私もこのエリアで地元密着で、複数の会社を経営していますから、13区がどうなっていくかが重要になると考えています。経営者視点での質問が多くなってしまう点はご容赦いただければと思います。よろしくお願いします。

まず一点目、今回の衆議院選挙の争点はどのようにお考えですか。

13区については特にそうですが、まず裏金政治です。政治とカネの問題は、一丁目一番地にくると思います。2つ目は、僕がずっと考えている日本経済活性化。あとは社会保障制度改革や教育制度改革など、4つのテーマが軸にあります。

法律を変えなければ、骨抜きになってしまう

1個ずつ聞いていきたいです。政治とカネの問題はテレビでもさんざんやっていますが、実際に今後法律的に政治資金規正法をもう一回変えて、どうにかしたいというお考えですか。それとも別の軸がありますか。

基本的に日本の政治政策の仕組み上、法律を変えるのが一番です。なぜなら国会議員も含めて国民の皆さまは法律に従っています。法律本体を変えないと骨抜きにされてしまうので、法律を変えるというのが一番手段としては最適かつ効果的だと思っています。

エネルギーミックスの考え方が重要。原発は完全に排除しない

次に、「日本経済」をテーマにすると、全て紐づいてくると思います。例えば、エネルギー政策はかなり大事かと思っていて。久喜周辺は工業団地があって、工場を運営するには安定して安価な電力供給がないと利益がでないわけですから、事業者としても、当然、市民の生活としても大きなテーマかと思います。原発には賛否両論ありますがどうお考えですか。

エネルギーミックスの考え方で、いろんな選択肢を完全に排除しないっていうのが僕の考え方です。やっぱりキーワードとなるのが原発だと思うのですが、原発も即廃止ではなくてオプションとして残すべきだと思っています。現に世界をみても原発が主要な国があったり、原発プラス火力が主要な国があったり、個々に違います。

そこにはリスクの考え方もあるだろうし、そもそも理想とするかたち、またはその国が持つ資源によって変わりますよね。中国のように、資源が豊富な国は、それを供給源とする発電の仕方に依存するのはすごく理にかなった事だと思うので。

世界をみてもいろいろなやり方があるので、日本においても原発に着目するのであれば、選択肢として持つべきだと思います。ただ、量を減らすなどについては検討しなければいけないとは思っています。

生活に直結する消費税は減税すべき

経済政策でいうと、消費税も大きなテーマかと思っています。
日本維新の会としては減税でしたかね?理由を詳しく教えてください。

維新は完全減税ですね。
消費税については、国民皆さんの生活に直結していることですよね。例えばコンビニに行っても1000円の物が結局10%のると1100円になる。これは一番家計に直結するので減税しないといけない。そういったシンプルな理由です。

所得税、法人税、いろいろな税はありますが、そういった中で直に生活に響いてくる消費税は減税すべきということです。先日の記者会見でも申し上げたところです。消費税率は8%に引き下げる必要があると考えています。

少子化対策に繋がる社会保障制度を

ありがとうございます。社会保障制度の話も出ました。少子化にもつながってくる話だと思うのですが、少子化が進むと消費者がいなくなる、消費者がいなくなると売上が下がる、売上が下がると会社もつぶれて雇用も減る、と負のスパイラルになるイメージがあります。

まず少子化対策として何が必要なのか、そのひとつが社会保険料の引き下げという話かと思うんですけど、現役世代の負担と少子化対策についての考え方を詳しく教えてください。

ご認識の通り、ご理解の通りです。維新としては、社会保障制度を改革すると現役世代のためになるといった政策です。現役世代、子育て世代や、お子さんがいらっしゃならない世帯も含めてダイレクトに効くと思っています。

子育て世代の一番の問題は、お金がないってこと。時間もそうですが、お金がないっていうのは、大きな要因ですので、子育て世代が困っている経済的要因にクリティカルに効かせたいと思っています。

子育てしやすくなったね、だから子育てしようか、子どもを産もうか、というマインドの流れになっていく必要があります。だからこそ、高齢者だけのための社会保障制度ではなく、少子化対策にもつながる社会保障制度を目指す、ということです。

貧しい家庭にとって教育は重要

ちなみに、社会保険料の引き下げ以外での少子化対策について、中原さんとして何かアイデアは?

ずっと思っているのは教育無償化です。特に維新が掲げているのは所得制限のない教育無償化ですね。僕自身、経歴だけ見て「凄いエリートで金持ちでしょ」とよく言われるんですけど、奨学金とか学費免除で生きてきた家庭で。

正直、裕福か貧しいかで言ったら、貧しい家庭で育ってきたのですが、そういった階層って再生産されてしまうんですよ。お金持ちはお金持ちになって、貧しいものは貧しくなっていく。

僕はどちらかというと貧しい家庭で生まれて、ここまでやって来れたのは親のおかげだと思っています。例えば、塾代などを投資してもらったわけですが、当事者として思ったことは、教育費ってめちゃくちゃお金がかかる。だからそこを無償化すべき。塾代等をねん出するためにも、教育費の根っこにある学校の授業代を無償化するのが、一番クリティカルです。お子さんが独立するまでの教育費が無料になればとても助かると思います。

僕の時にもし教育費が無償だったら、親もまた違った風に僕を育ててくれたかもしれません。もっと余裕があったのかもしれないです。貧しい家庭を固定化しないために教育は重要です。お金がないと塾にも通えない。そういった現状なので、まずはメインの学校を無償化することが、将来的な少子化対策に繋がると思います。

ちなみに、公立や私立によって学費が違うと思いますが、すべて無償化ですか?

例えば、大阪は公立私立問わず無償化にしているんですよ!
これはすごい試みで。ただ何が起きたかっていうと、学校間の競争が激しくなった結果、公立学校が定員割れしてしまいました。

ただ、大阪府民としてはそこまで気にしていなくて。もちろん地元の人は気にしているんでしょうけど、よりよい学校に行く、より質が高くなっていく競争原理が働くのは、一つの正しい在り方かと思っています。理想としては公立私立分け隔てなく、無償化されるべきだと思います。

今のは中学の話ですか?高校も?

高校です。大阪は私立学校を含め全部無償化されます。たしか全国で初めての試みだったんじゃないかな。その後の情報は海外に行ってしまっていたのでキャッチアップできていないのですが・・・

ちなみに大学が無償化という話も今回出ていると思うのですが、その点についてはどうですか?

大学の無償化は理想的にはされるべきですよね。例えばドイツなどはほぼ無料。事務的な手続きや、事務費は発生するのですが、授業料本体は無料、もしくは格安な国は、ヨーロッパには多いんですよね。そういった事例をみると、授業費は国が面倒見てもいいんじゃないか、と思いますよね。

国立の学校と、有象無象の私立大学、例えば偏差値が高い学校から低い学校まであると思うのですが、全部無償化なんですか?

無償化することで学校淘汰も始まるので、そういった狙いもあるのでは、と思います。大学の数が多いか少ないか、でいうと多いんですよ。なので適正な数にしていく。

「適正な数ってなんですか?」と言われると、それはまだわからないですが、肌感として多いという現状はあると思うので、それが自然淘汰されることで適正な数になる。例えば、大学に対して色々な補助金があるので、大学が減っていくと、補助金の使われ方も全体として最適化されると考えています。

学校が淘汰されると、質のいい大学が残ります、と。一方で、学校が少なくなっていくと当然定員も限られて大学に入れない人も出てくると思うのですが、そこらへんはどうお考えですか?

少子化なので入れないってことはないのかもしれませんが・・・

大学総定員に対する子どもの数でみると、総定員が上回っていたと思うんですよね。なのでどこかには定員がある、と考えています。

ガソリン税はシンプルにすべき

ありがとうございます。政治とカネ、日本経済、社会保障、教育のお話はお伺いできました。

次の話題です。埼玉エリアは車社会なのですが、物流倉庫も進出してきていて。もちろん一般市民も事業者もですが、ガソリン代が高いことに対して負担感を持っているのですが、ガソリン税制についてはどうお考えですか。

そもそも税制が複雑ですよね。まだ詳細にスタディしたわけじゃないのですが、めちゃくちゃ複雑なんですよ。まず、価格の決め方。何重にも税がかかっているので、シンプルにすることが一つの切り口だと思います。計算式をシンプルにすることで、金額も適正化されていくと思います。

僕も元々は農水省にいたので承知しているのですが、税金を決める、というのは調整に非常に長い時間が必要ですが、今の複雑化している仕組みをシンプルにすることが原則かと思います。

日々の企業活動の中で、例えば輸送の現場だったら、「これだけ距離があるからこれだけのガソリン代です、その中で税金がこれだけかかっているな」みたいなことも見えてくると思うんですね。そうすることで、より問題意識が高まって、「これだけシンプルになったけど、やっぱりガソリンって高いよね」という次の段階になると思います。

導入時は大変だが、インボイスは不正対策で必要

今回の選挙だと争点になっていないと思うのですが、中小企業なのでインボイスについて伺いたくて。インボイスの意義についてはわかっています。ただ、現場レベルでいくと、経理の負担感が相当重くなったなっていうのもありますし、税理士も結構大変になったと言っていて。

DXとか、全国的に効率化をしなきゃいけないって時に、そこだけ非効率化されているじゃん、という感覚があるのですが、そこらへんはどうお考えですか?

前置きとして、インボイスも自分が海外にいたときに導入されたので、詳細に存じ上げないのですが、ベトナムの事情の例を踏まえて推測すると、電子インボイスの制度自体は、将来的には全体最適に繋がると思います。

今、経理の方が大変なのも重々理解してます。僕も、農水省から会計事務所、いわゆる会計コンサル会社に転職しました。ベトナムもだいぶ前にインボイスが導入されているので、むしろ当たり前の世界なんです。

インボイスの何がいいかというと、不正がしにくくなること。ベトナムでは、電子インボイスによって、税金関係で不正は限りなく減ったし、色々な怪しい会計を防ぐことが出来るので、そういった不正対策という意味では、インボイスはあっていいと思います。

日本のインボイスは詳しくないですが、経験上そういったメリットもありますし、デメリットとして、導入時期はインボイスに限らず、現場の方は大変だと思います。でも、その後に見えてくるのは、「楽になったね」という世界だと考えてます。

一番成し遂げたいのは「日本経済の復活

わかりました。引き続きインボイスについても注目してもらえたら、と思います。大体のお話はお伺いできたと思うのですが、いろいろある中で一番成し遂げたい政策はなんでしょうか?

日本経済の復活です。なぜかというと、GDPで考えると、かつて世界第2位だった日本が中国に抜かれて3位になって、ドイツに抜かれ、来年インドに抜かれちゃう。第5位になってしまうわけです。これは流石に看過できないと思ってしまって。

ベトナムでは、「ベトナムに進出したいです」という日系企業の支社設立支援の仕事をしていたのですが、そんな日系企業と比べて、中国韓国企業の存在感が圧倒的過ぎて。日本の存在感はベトナム経済界でも薄いんです。このままだと本当にやばい、と感じたタイミングで、裏金政治が騒がれていて。

政治不信自体は昔から続いているので、そういったことをなくしたい。政治がきちんと機能しないと、経済も機能しないと思っているので。お互いのリンクですよね。だからこそ日本経済の復活。GDP4位になり、5位になろうとしているのは時の政権の責任でしょ、といった想いです。

ロックフェラービルを買収するような、かつての勢いを取り戻したい

なるほど。ジャパンプライド、じゃないけど、そういうものを復活させたいという思いがあるということですか。

農水省時代から思っていることです。アプローチは違えど、やっぱり想いは日本経済の復活ですよね。かつてはニューヨークのロックフェラービルを買い取ろうとした力があった。だからこそ、とてつもない反発があったぐらい日本に勢いがある時代があって。

そういった時代があったにもかかわらず、今5位になろうとしている日本を、僕は見過ごすことができない。そういった想いで今ここに至るということです。

政治の負のイメージを払拭したい

ちなみに、埼玉13区で出馬した理由はなんなんですか?

若者が政治に参加してほしいという裏テーマがあります。行政で働いていると、その方が最初は政治に興味がなくても、仕事なのでやってるうちに興味を持たざるを得なくて、いつの間にか関心事になっているんですけど、世の中的には政治に興味がない方が多いというのが実感です。

嫌いなのはいいんですよ。好き嫌いならまだいいんですけど、政治って自分の生活に直結しますから、興味がない状態は何としても解決したい。今回のインタビューの主旨でも、自分の住んでいる地域の国会議員は誰なのか、そういったシンプルでピュアな好奇心は重要なことだと思ってるんですよね。だからこそ、自分は今33歳ですが、若手がチャレンジすることで、世の中に刺激を与えられるんじゃないかと思っています。

要するに、政治に興味を持ってもらえていないことへの危機感。何で興味を持てないかといったら、政治のイメージが悪いんですよ。農業も負のイメージが強いので若者は興味を持っていないのですが、政治も同じなんです。その最大の理由が政治とお金の問題。

13区は現職の方が裏金ナンバーワンと言われています。約3000万円の裏金だけれど、特に逮捕もされていない。法的判断ではありますけど、なにもお咎めなしの現状というのは「政治ってやっぱり汚いね」というイメージになるわけです。

3000万って普通の人がどれだけ汗と涙流して、稼ぐのに時間がかかるのかっていうことですよ。ということを踏まえて、政治の負のイメージの原因ナンバーワンの選挙区で挑戦することに意義があると思っています。もちろん、埼玉とのご縁もあって、農水省時代に皆野町にいたっていうのもあります。

なので、一番は「対政治不信」です。そういった方々と対峙して、政治とお金の問題を解決しよう、ってことです。

海外にいて感じた自衛隊の不明瞭感

なるほど、ありがとうございます。次に、憲法改正も今回の選挙テーマとして取り上げられていると思うのですが、私は経営者なので、そもそも70年前に制定されたものが、現代の資本主義のスピード感に合うわけがない、と思っていて。主観としては、変えた方がいいのではと思っています。

維新の考え方も憲法改正だと思うのですが、中原さんのお考えとして、具体的な話があればお伺いしたいです。

結論としては変えるべきだと思います。おっしゃるとおり、憲法が制定されてからこれだけ時間がたっているのに変更されていないのは、あまりにも理屈が通らない。環境、社会、経済、文化が変わってきている中で、なにひとつ変える必要がないっていうのは、さすがに実態に合っていない、というシンプルな理屈です。改正しなければならないのではなくて、改正しないと実態に合わない、が正しいと思います。改正すべきだと思っています。

具体的には、やはり自衛隊です。ちょっとした小話ですが、自衛隊というのは、海外に行くといつも英訳に困るんですよ。アーミーと言えないんです、軍隊じゃないので。英語圏の方と話すときに「シンプルにするためにアーミーって言うけど、アーミーじゃないんですよ」って話すと、どういう意味?ってつっこまれるんですよね。(笑)

軍隊を持たない国は世界的に少ないと思うのですが、日本は自衛隊という軍隊でない位置づけがある一方で、誰が見ても日本の国を守っているレンジャーなんです。名前が自衛隊ってだけであって、実態として、国を守っている人は誰ですか、となると自衛隊なんですよ。

だから、これは実態に合わせるべきだと思ってます。明記すべきですよね。あとは教育の無償化です。ここも憲法レベルでやりたい。義務教育は憲法に書いてあるので、教育無償化も憲法レベルで書くと一番だと思っています。

外国人がいないと社会が持たなくなってきている

移民については争点になっていないと思いますが、埼玉というエリアで見たときに、例えば、川口でいうとクルド人、偽装難民があったりして。久喜市って毎年外国人比率が0.4%増えていて、10年で4%増えるペースできています。来日だけでなく、出産も考えると、今後加速度的に増える可能性が高い。政府は移民を受け入れていない、というスタンスを取ってますけど、実際には街を歩いていると外国人が増えた感触があるわけです。

川口市で外国人問題があることで、久喜でも不安になっている市民の方も多いのですが、今後外国の方とどう共生していくべきか。移民を受け入れるか、受け入れないか。受け入れるとしたらどういう風に受け入れるか、お考えをお聞かせください。

グッドクエスチョンですね。それについては自分も問題意識をもっていて、結論としては移民という言葉はセンシティブなワードなのであまり使いたくないです。移民はもっと先のフェイズのワーディングですね。

まず、外国の方は日本社会にいるべきか、いないべきかといった議論だと、僕はいないと社会が持たないと思うんです。例えば、コンビニ店員でも外国の方がたくさんいらっしゃって、飲食店の店員でも増えてきているので、いないと社会が持たないと思う。必要かどうかで言えば必要です。

ただ、どれぐらい必要ですか、と聞かれたときに、まだ問題になる人数を超えてないから、騒がれていないですけど、今後はどうなるか分からないですよね。ただ、政府としてはまだまだ受け入れる方向性にある。

先般、技能実習生に対して、悪い人が奴隷化しているとか、パスポートを取り上げているということがニュースになってしまいました。本来の主旨は日本で学んでくれた技術を自分の国に持ち帰って、日本で学んだ技術をその国で役にたててもらうといった、国際協力の観点なのですが、こういった悪い業者がクローズアップされてしまったのが昨今です。その中で、育成就労制度に関する法律が今年可決しました。

2027年までに開始することになったのですが、要するに、外国人労働者が今後入ってきます。この流れは政府として決めてしまったことなので、どう受け入れていくべきかを議論しなければならないです。

お互いがお互いに、慣れる必要がある

外国だとこうだったけど、日本だったらこうなんだっていう、来日後調整というか、慣れるための時間も必要だと思います。こちらも外国の方が普通に暮らしていることに対して、慣れるための時間が必要なので、特効薬はないと思っています。

外国の方がいることに慣れてもらう。そのためには日本人だけじゃなくて外国の方も努力しなくちゃいけないですよね。例えば、日本社会でゴミの分別とか、これはルールだから守りましょうね、という意識づけも必要なので、これは受け入れ態勢だけでなく、送り出し機関と呼ばれる人たちもちゃんとした教育が必要だと思います。

じゃないと、せっかく優秀な人材がたくさんいるのにもったいないと思っていて。実は労働者っていう言い方も僕はあまり好きじゃない。高度人材と呼ばれるように、今も昔も優秀な人はいるので、僕は受け入れない理由はないと思いますね。

ただ単に、日本人じゃないから、って考えだと古い。世界が国籍、性別、年齢なんか関係ない、そんな社会になっているのに、国籍だけで判断するのは良くないと思っています。

高度人材は受け入れるべき。じゃないと社会も経済が発展しない。ただ皆さんが問題視している単純労働者と呼ばれる方々に対して、悪いことをしたら取り締まらないといけない。悪いことに対してはきちんと処罰する施策というのは必要だと思いますね。

地方分権化を加速させたい

最後になります。埼玉が地方にあたるかはわかりませんが、地方創生という観点でお伺いしたくて。日本維新の会では、道州制みたいな話も公約に入ってますね。

久喜市はもともと4つの市町村が合併しています。一方で、幸手や白岡、蓮田、宮代、杉戸は、平成の大合併の時に、議論はしたけど合併しない、と結論に至った。そんな行政が多いのが13区。という中で、13区がどうなっていくか、令和の大合併みたいなことはした方がいいのか、そのまま維持する流れなのか、どうお考えですか。

すいません、自分はまだ埼玉を知る必要があると思っているので、回答としては「わからない」ですね。ただ大きな流れとして、地方分権化は進めないといけない。行政にいた時は、地方自治体に対してルールを示す側だったので思わなかったのですが、やはり財源やリソースというのは限られているので、国から地方に移転させないといけないと思っています。そういった意味では、地方分権化は加速させていかないとだめだと思います。

農水省の経験から、田園風景を守りたい

分かりました。農水省にいらっしゃったから、農政についてもお伺いできれば。埼玉が「農業がすごく強いエリアか」って言われたら疑問な部分もあるんですけど、ここら辺だと梨、いちご、お米もそれなりにやっている。農業を発展させる必要があるのか、どうやって発展させるべきか、お考えはありますか。

発展させないといけないと思っています。13区に限っていえば農業を営んでいる人は全体の中でそんなに多くない。でも、埼玉って農業県なんですよ。一次産業は非常に重要で、田園風景がなくなったらだめですし、町として魅力がないと思います。

もうひとつは治水機能。自然環境に田園がないと、土壌が悪くなったりするので、風景的な意味と環境的な意味で、農業はなくさないほうがなくて、むしろ活性化しないといけないと思っています。久喜で強いのは菖蒲ですね。先日行きましたが、良いですね、ちょうど秋の稲穂が綺麗な色です。あれを見て、やっぱりなくしてはいけないと感じました。

農家さんは減ってる、でも外国人を受け入れているかでいったら受け入れていない。なんとかやりくりされているんだろうなと思います。いずれ人がもっと少なくなるので、人を増やしていかないといけないところはあります。ただ、僕の考えは人を増やすと同時にDXです。DXしながら少人数で回していくけど、どうしてもDXで限界なところがあれば、じゃあそれは人を入れないと、という両輪が必要です。

あとは、国全体で農業をどうするか、の中に埼玉の農業も乗っかっていくという話だと思うので。埼玉は海がないので農業。山林もそこまで大きくないので、林業よりは農業です。なくしちゃいけないです、田園風景は。

久喜市に増えるベトナムの方に対する想い

ちなみに話は戻りますが、移民の話で、久喜ではベトナムからくる方が多いと感じています。中原さんはベトナムにいらっしゃったということで、何かその点について思いはありますか?

直前までベトナムにいたので嬉しいのですが、現実的な話をすると、少し問題を起こしているという話を聞いているので、そこは解決しなければいけないと思っています。日本全国に来る外国人の中で、ベトナム人は確か第2位で、全体傾向として増えているので、埼玉や久喜に限らない傾向ではあります。

それが良いか悪いかというのはわからないですが、自分がご縁をいただいた久喜や、このエリアにベトナム人が来てくれるのは、ベトナムに直前までいた人間としては嬉しく思います。一緒に働きやすいと思いますよ、ベトナム人は本当に真面目なので。いい人ばっかりです。

気質としてはいいので、問題が起きているのは、日本の環境が彼らを悪くしている側面もあると思ってます。日本語が下手な外国人に対する対応については、まだまだ上の世代の理解や共感が必要だと思います。若い世代は慣れてきていると思いますが。

日本はこのままでいいと思いますか?

最後に伝えたい事、推して言いたい事はありますか?埼玉13区や、久喜の方にメッセージがあれば教えてください。

「日本、このままでいいと思いますか?」って問いかけたいですね、皆さんに。(笑)

特に、自分は経済に着目しているので、日本経済がこのままでいいんですか、と。それは自分たちの生活に降り掛かっていると思うんですよね。昔よりだいぶ苦しくなっていると思うんです。だから少しマクロな見方で、日本経済が大丈夫かということを問うてもらって。

もう一つは、若者の方に政治に興味を持ってもらいたいです。行政にいたのでわかるんですけど、政治の世界って結構力を持っているんです。もちろん行政も力を持っているんですけど。企業の立場からは陳情ってやり方はあるけど、なかなか実現しないことってたくさんあると思うんです。

特に対役所は難しいと思うんです、役所はそう簡単に動かないんで。(笑)

「そうですね、検討します」みたいな組織文化なので、役所はそう簡単に変わらないんですけど、役所を動かせるのが政治の世界なんです。今久喜に住んでいる方が久喜に課題がある、埼玉に課題がある、日本に問題があるなって思ったら、課題のレベルにもよりますけど、市議会議員とか県議会議員とか国会議員に自分がなって、変えていく、という気持ちがないと、なかなか世の中がよくならない、と実感しています。

若者に、政治の世界どうですか?と聞くと、反応鈍いんですけどね。(笑)

矢面に立つのは嫌だとか。僕もSNSにたくさんアンチコメントがきますが、逆に言うとそれだけ知名度が出たのかな、と。アイドルと同じで、100人中100人に好かれるアイドルは絶対いないので。(笑)

そういったマイナス面もあるけど、政治の世界は自分の問題意識を解決できる凄い力を持っていると信じています。

一票というパワフルな権利は行使してほしい

もちろん政治家を志すだけではなく、投票も大事です。18歳選挙権になったので、選挙権という重要な権利を行使してほしい。例えば、久喜にも高校生がいっぱいいますけど、その中には18歳の方もいらっしゃると思うので。

4年に1回しか行使できませんからね、衆議院に関しては。

そうです。このパワフルな権利は行使してほしいと同時に、政治の当事者になってほしいなと思ってます。経済、本当にやばいですよ。もうちょっと政治の世界に興味を持ってほしい。

僕は今回の選挙、不利な状況は分かったうえでチャレンジすることにしました。文句を言って終わりではなく、自分で変えていけるんだ、そういったことを提言したいです。

面白いお話でした。では、以上で取材を終わらせていただきます。改めて、選挙前のお忙しい時にお時間いただきありがとうございました!

↓中原さんの公式HPはこちら↓