知って楽しい久喜では、今回の衆議院選挙に合わせ、久喜市(埼玉13区内)における選挙候補者の方にお話を伺い、市民の方に候補者の政策やお考えについて詳しく正確な情報を知って頂く機会を提供いたします!

第一回目として、国民民主党公認の橋本みきひこさんに政策やビジョンについて詳しくお伺いするため、インタビュー取材をお願いさせて頂きました。

聞き手:藤田 田(株式会社フジハウジング代表取締役) 

埼玉13区内で、不動産会社(久喜市)、幼稚園(杉戸町)、介護老人保健施設(宮代町)など複数の事業を経営。埼玉13区の今後の動向について大きな関心を持っている。久喜市空家等対策協議会 委員(2020-2024)

衆議院選挙2024の争点「新しい選択肢をつくれるかどうか」

本日はお忙しい中お時間ありがとうございます。今回、4年に1度の選挙ですので、やはり市民の方に自分の選挙区の候補者がどんな方なのか知っていただくことはすごく大切だと思い、このような企画をたてさせていただきました。我々フジタグループはこのエリアで複数の会社を経営しています。なので13区がどうなるかってことは重要なポイントと考えていること、そして経営者視点でも色々お話をお伺いしたいと思っています。よろしくお願いします。

まずはじめに、今回の衆議院選挙の争点はどのようにお考えですか。

地元のための新しい選択肢を作れるか否かだと思います。

いままで自民党一強だったところから新たな選択肢が生まれるかどうかということですか?

おっしゃるとおりです。

一番推していきたい政策「手取りが上がる経済の実現」

その中で、いろいろ政策をお持ちかと思うのですが、一番成し遂げたい政策、推していきたい政策というのはどういった政策ですか?

手取りが上がる経済の実現です。2024年が、この30年間の停滞、失われた30年間というところを脱却できるか否かの最後の局面だと私は思っています。だから手取りが増える経済を実現する。その実現のために、いろいろな細かな政策が付随していくと考えています。

消費税は減税すべき

可処分所得を増やす、という話かと思うのですが、その点では、消費税が今回の選挙でも取り上げられています。消費税は減税という声があったかなと思うんですけど、そこら辺どういったお考えなのかお聞かせください。

はい、消費税は5%に一律で減税すべきだと考えています。大きい理由としては景気動向、経済動向です。

税金というのは景気の調整弁であると考えていますので、これを単年度のプライマリーバランスや政府の収支の黒字赤字っていうところで判断するべきではないし、一方で、無税というのは景気の調整弁や政府の役割がなくなるので不可能です。そのような基本的理解に立った時に、今の経済状況で消費税を何パーセントにすべきかっていうところを考えなければならない、と思います。

で、今非常に物価高でコスト高で、インフレが進んでいる。家計も苦しい、企業経営も苦しい。企業経営が苦しければ当然給料も上がらないし、手取りも増えないわけです。だからこそ消費税を減税していく。家計を少しでも豊かにしていって懐を温めていったら、この30年間で停滞してしまった消費マインドもリセットされる、と考えます。

そういう不景気に対する対策として、今までは補助金という対策をしてきました。ですが、補助金というのは2つの意味でよくなくて、一度取ったものを再分配するから、二度手間になります。ここに政府御用達の代理店が入る構図があるということ。そして、時間がかかるっていうことです。減税であれば国民全員ただちに恩恵を受けれますから。下げすぎたってなったらあとからまた税金をとる方法を考えたらいいんです。そういうごくシンプルな景気の調整弁としての機能を果たすためにも、補助金じゃなく減税をやるべきだという考えです。

ガソリンの暫定税率は廃止していきたい

減税っていう話でいくと、埼玉は車社会でもあるのでガソリン代が上がっていることがすごく事業者や市民にも影響が大きいのではと思いますが、その辺のお考えはいかがですか。

よくぞ聞いてくれました!ありがとうございます。ガソリン税率、特に暫定税率の廃止についてはぜひ推進していきたい。本当におっしゃるように家計もそうですし、物流コストの低減にもなりますから。物流コストが下がれば企業の競争力が上がっていくわけですね。で、ガソリンのおよそ半分が税金ですから、ここの足かせというのを解いてあげたい。

あとは経済動向を見たときに、ガソリン減税とか消費税5%ぐらいがちょうどいいんです。これ以上の減税っていうのは経済を過熱化させすぎるかもしれないですし、それこそ30年前のバブルの再現をやってしまったら元も子もないので、いい塩梅の所が私はガソリン減税と消費税5%だと思っています。

その他にも、電気代も高騰しています。再エネ賦課金として実質、税をとっているわけですから、一時停止することも含めて、家計を応援していく、企業、特に中小企業を応援していくというところを注力していきます。

原発は安全面に配慮して活用していきつつ、新しい可能性を模索

ありがとうございます。たしかに、電気代の高騰問題もあると思っていて。我々事業者もそうですね、例えば、介護施設や病院では相当な電気を使います。あと菖蒲などでは工業地帯もあって、工場なんかは凄く電気を使うところで、電気代が上がって利益が出にくくなったり、新しい工場の建設にもかなり後ろ向きになっちゃうところもあると思います。

原発や再エネの議論があると思いますが、工場だと安定的に大きな電力供給をしなきゃいけないって考えると、やはり原発は必要なのではないか、と経営者感覚では思うところですけど、原発を辞めるべきという意見の方もいらっしゃる。そこらへんはどうお考えですか。

安定的で安価な電気の供給というのは産業の基幹ですから、確保するのは政治の役割です。これはぜひやりたい。特に価格面でいうと、経営者さんだと感覚があると思うんですけど、単価が1円上がるだけで、特に製造業って年間数百万、数千万が変わっていくんです。私も経営コンサルを5年やっていますけれど、私がなった時はちょうどコロナ禍で国内経済がガタガタの時だったんですね。その立て直しをやるときに電気代とかエネルギー高騰っていうのは相当の痛手で、痛いほど味わってきましたから、ぜひ安価で安定された電気の供給をやっていきたい。

だから、当面は原発は使わざるをえないと思うし、安全面を配慮した上でやるべき。一方で、長期的にこれはもう100年1000年のことを考えた時に、やはり原発に依存する社会っていうのは不健全というのはその通りだと思います。なんで1000年後の話をするかって言ったら、やっぱり放射能ってそのレベルの時間軸の話ですからね。だから今の国際情勢、今の私たちの文明を考えた時には原発はなければならない、それだけ贅沢な生活をしていますから(笑)。

もう一方で、高い理想かもしれないけれど、もう一つ新しい可能性はないかなって。まだ実験段階ですけれど、例えばアンモニア発電とか。温室効果ガスを低減できる技術っていうのが研究されている。こういうところにしっかりと支援をしていく。本当に長期的に100年1000年先を見据えた時のエネルギー状況というのを見据えた投資をやっていく。

どちらも大切だと思います。原発を直ちにゼロというのは、現実的に不可能だと思います。

少子化対策のためにも社会保障改革を

ありがとうございます。手取りを増やすってところをもう少し聞かせてください。幼稚園経営をしていて感じるのが少子化です。学校経営に限らず、少子化が進むと消費者が減る、消費者が減るとすべての産業において売上が下がる、というネガティブな流れになり、社会が沈んでいくことを危惧しているのですが、手取りを増やすことで若者が結婚する余裕、子育てする余裕を作ることになり、少子化対策になる、という理解でいいのでしょうか。

少子化の問題って今おっしゃった経済活動からの観点もあるのですが、もうひとつは社会保障がここまで充実した一方で、急激な少子高齢化が社会保障制度を持続不可能にしている。

国が年金を払わないんだったら、少子化なんて正直どうでもいい、っていうある意味考えさせられる観点です。例えば、中国も少子化です、韓国も少子化です。にもかかわらず、中国では産業的に問題ではあるけれども、政府的には年金がないので少子化でも問題がない。

そういった点も踏まえて、やはり現役世代が今の高齢者を支えるという構図が問題になっていると思います。年金保険制度を導入した当時のいきさつも良く分かります。本当に苦労した世代を支えていくこと、戦争で被害があったけども恩給も出ない方に対して保証していこうよ、という心は分かるのですが、もう持続不可能だよねって。ストレートに持続不可能なんですよ。

人口が増加している局面であれば持続可能だけれども、減っているとなるとどっかで歪みがでるよね、ということですね?

おっしゃるとおりです。年金保険制度を導入した当時っていうのは、年金支給年齢は、すなわち平均寿命だったんですよ。今は平均寿命と年金供給開始まで10年20年ギャップがあるわけですから、その構図ひとつとってもおかしい。「社会保障と税の一体改革」は、社会保障制度の維持が難しくなってきて、消費税だったらみんな等しく税負担がある、高齢者でも負担があるからいいよね、という話ですよね。消費税を社会保障の財源にするっていう理屈ですから。

ただ、もう国民負担が重すぎます。重くなりすぎて日本は経済成長しないし、おっしゃるように子供も増えない。だから、まずは減税すべきだと思います。

この地域で住んでいる幸せを感じられる社会こそが少子化解消のカギ

人口増についてはものすごく難しいと思うのが、ここまで成熟して一回人口減少になった社会が、もう一回人口増になった例があまりない。ただヒントとなるのが江戸時代の再現だと思うんです。この地域で今、住んでいる地域で幸せに生活を暮らしていく希望があれば私は人口が増えると思っているんです。楽観的かもしれないけれども、本質的なことはそこだと思っている。

大変申し上げにくい話だけど、古河や茨城の人は久喜に働きにでるわけです。久喜の人は大宮、大宮の人は東京にいくわけです。みんなが今ここじゃなくて、もう少しいい生活を求めて地価の高いところに向かっていく。

不動産会社さんの前で言うべきではないかもしれないけど、これは実際不健全だと思います。実際、みんなが集まっていく極点である東京は出生率が著しく低い。それはそうですよ、生きるコストが高いんだから。生きるコストというのは金銭的なものだけでなくて、人と人とのつながりとか、土地のゆとり、自然のゆとり、そういう子供を育てていく、生きていくゆとりの部分も、久喜なら手に入りやすいのに、東京で過ごすとなると、手に入りづらいわけですよね。

東京一極集中の構図というのが、はたして本当に人々の幸せになっているか考えた時に、直接因果関係は証明し難いけれども、少子高齢化の原因になっていると考えています。

行政区の再編と住民自治の連動を模索していきたい

では、地方創生についても伺いたいです。久喜は4つの市町村が合併していて、隣の加須もそうです。しかし、私の出身である杉戸や、宮代は平成の大合併に乗らなかった市町村です。いまだに(北葛飾・南埼玉)「郡」です。「郡」がついている住所に人が好んで来たいか、転入するか。

これは主観ですが、そこより久喜「市」だよね、ってなるのではないかと思うんです。そうした中で、地方創生の観点から、令和の大合併じゃないですけど、そのへんはどのようにお考えでしょうか。埼玉が地方か、ということは一旦置いておいて、埼玉13区っていう目線でのお考えを教えて欲しいです。

極論ですが、埼玉13区は7つの自治体がすべて合併すべきだと考えています。40万人の都市を作る。なぜかというと、行政レベルで考えたときには30~50万人が適正だと思うから。上下水道や焼却炉というのは久喜市だって単体でやっていないんですよね、宮代と組合を作ってやってる。

行政区分としては30~50万人が適正なんです。逆にそれ以上大きくなると、さいたま市のように区に分かれるわけですから、30~50万人が行政単位で見た時は適正な規模で、合併すべきだと考えます。

留意しなければならないのは、土地と人の結びつきとか住民自治がものすごく大事だと思っています。40万人都市になった場合、行政との距離は遠くなります。私が言いたいのは、全国を40万人程度の都市に再編して、その40万人の中に1万人規模の共同体をつくっていく。

これはいままでだったら自治会だったかもしれないし、PTAだったかもしれない。小学校区や中学校区などのイメージですね。PTAも自治会もどんどん担い手が少なくなっている。今、市町村がやっていることを自治会レベル、中学校区単位に落としこんでいって、中学校区の中で、自分たちの生活の周りの事、清掃だったりゴミ捨てのマナーの話でもいい、あるいは道路の問題でもいい、こういうところは住民が合意して、これは私たちのルールだよね、自分たちのことは自分で決めれるような単位をつくっていったらいいと思います。

一方で、焼却炉は中学校区単位で作れないんですから、30~50万人単位でやっていきましょう。それより大きなこと鉄道整備や道路整備っていうのは、複数の都市が組合を作っていく構図がいいのではないかと思います。そうした中で道州制って言葉もありますが、地方集権という意味での道州制という言葉もあるので、あまり道州制という言葉を安易に使いたくない。

もっと自分たちに近いことは自分たちで決められるような、自分たちはここで生きているんだ、生活しているんだ、政治に関わっているんだという喜びのある、フランスのコミューンぐらいの単位、堺の商人が堺の自治をやっていたわけですけど、そういう文化があったので、もう一度住民ができるようにしていきたい、というのが再編に対する考え方です。令和の大合併はぜひやるべき、ただし注釈がつく、という感じです。

ただ合併して効率化する、ってことだけでなく、それぞれの自治コミュニティ込みでの合併にしないと意味がないですよ、っていうことですね?

そうです。じゃないと、ただの受益者になってしまうし、行政泣かせです。その成れの果てが現在の社会保障制度であったり、この停滞した状況でしょ、って私は思うので。制度改革も大事ですけど、人々の意識を変えなければいけない。

意識を変えるのはとても難しいです。学校教育で道徳の授業をやってどうにかなる問題でもないので、1万人ぐらいの単位で自治をやってもらうことで、場合によっては、自治をしっかりやらないと大変なことになりますよ、ってことを身をもってわかっていただく必要が出てくるかもしれません。いずれにせよ、受益して当たり前、という民主主義のカタチではどうしようもなくなると考えています。

元自衛官から見る憲法改正

ありがとうございます。次に憲法改正について聞かせてください。経営者感覚でいうと、今の現代社会はとてもスピードが速い。スピードが速いから社内制度やルールもどんどん変えていく。様々な法律も変わっている。

そんな中で憲法だけが70年変わっていない、70年前のものが現代にフィットするかって言ったらフィットしないのでは、という考えがあって。そもそも完璧なモノはない、という前提もあると思うので、絶対変えない、っていうのがどうなのか、とは思うのですが・・・。

人が作っているものだから絶対はない。社長がおっしゃったように変えるというのは当たり前の話なんです。ただ、改憲という2文字を言いたいがために意味のない議論をする人たちを私は苦々しく見ています。もっと個別にいうと、自民党の改憲案、反対なんです。(笑)

改憲すべきなんだけど、自民党の改憲は百害あって一利なしだと思っているんです。私は元々自衛官ですけど、憲法9条の話とかはっきり言って現場のレベルではどうでもいいと思っている。改憲論っていうのが机上の空論になってしまっていると思うし、護憲と言っている側も一言一句変えないというところにこだわり過ぎて建設的な議論が右派も左派も出来ていない。

本当はおっしゃるように、環境に合わせて憲法というのはどうあるべきか、という議論をやるべきだし、リベラル側からしても、憲法は国家権力を縛るものだ、とするのならば、結局、国家権力縛れてないじゃん、っていう話なんですよ。

環境保護やプライバシーなど新しい権利もある。そういうの入れなくていいの、と。LGBTQの話だって、どう憲法を読んだって男女の両性の合意と言っているわけだから一言変えるだけの話なんですよ。

もっと一般的に合意を得られそうな事項として、教育の無償化について。私立の無償化について政府が補助金を出して無償化にしようとしているけど、やはり憲法違反ですよ。公の支配に属さない団体に対しては国庫負担してはいけないんです。それが憲法の規定なんですけどやっているわけです。憲法9条とか新しい権利の話をすると右だ左だって話になるんで、まずはそんな具体的な話からしていった方がいい。

当時は理想を持って作った憲法だけど、改憲なのか、一言一句変えちゃいけないのか、って2択で言われたら改憲なんです。ただ根本として、どういう社会をつくるのかっていう議論を私はしたい。改憲・護憲の二文字については相当気を使う必要があります。国民の理解を得ないと改憲はできないですからね。

護憲と言われている人、相手が共産党だって社民党だって、会えば私は同じ話をするんですよ。私は憲法改正だと思っている。こういう思いをやっているから一緒に考えませんか、っていうスタンスじゃないと。どうやったって国民投票をやらなきゃいけないんですから、それに向けて現実的な一歩を踏み出していきたいし、ただ改憲して満足っていう質の悪い議論はしたくない。

改憲ありきではない?

そうそうそう。特に憲法9条の話は本当に聞いていて腹が立ちます。本当に現場を何もわかっていないな、って想いがあります。

元自衛官ならではの意見だと思います。すごく参考になります。

移民問題から見る「日本文化輸出論」

次に、移民問題もホットかなと思っています。久喜や、その周辺でも外国人が増えてきているのが肌感的にも皆さんあると思うんです。単純に見かける数が増えたな、と思っていて。私は職業柄、人口動向も見ているんですが、久喜市でいうと外国人の人口比率が毎年0.4%増えている。単純に10年で4%増えると。現在が3%程度ですから、7%になると、100人いると7人が、って話になってくると思うんですけど。

同じ埼玉でも、川口市では、偽装難民がどうだ、クルド人がどうだ、と取り沙汰されていて、久喜市も今後どうなるんだろうと不安な方も多いと思うんです。移民だったり、外国人との共生についてはどうお考えですか。

産業維持だけを目的とするだけの移民は受け入れるべきではない、というのが私の考えです。私は移民を全く排斥しようという考えではないんです。日本の文化を学んで、日本語を話して、日本の生活に溶け込んでいこうという外国人の方はたくさんいるし、日本人が失ってしまった暖かい心を持っている人もたくさんいます。実際に、駅前でビラを配ってると、一番外国人が取ってくれるっていうのがある(笑)

そういうのはごく一例だけど、暖かいなって思いますよ。確かにいろんな問題もある、不法移民の問題もある。一方で、なんでクルドの問題がでてきているかをみ見ないといけなくて。そうしないと対話もできないし、ずっと対立したままだし、問題を解決をすることができない。

クルドの問題の本質は貧困の再生産なんですよ。日本に来たら、本当は子供たちに日本語教育を受けて貰って、日本のために働いてもらうっていう体制がとれればいいんだけど、まともに小学校に通ってないケースがあります。そりゃ読み書きできないし、民度も上がらないし、給料も上がらないし、若干違法性のあるような事業に近づいていく。だから、その最後だけ見てクルドけしからん、って言っているわけですけど、そこだけ見ていても問題は決して解決できないし、叩けば叩くほど対決するか問題がアンダーグラウンド化するだけなんで、私は根本の「ヒトを育てる」ところで解決すべきだと思う。

移民として受け入れるんだったら、徹底して日本語教育をやって、日本人として生きていってもらうぐらいの教育をするべきだし、日本語教育だけじゃなく、高等教育まで受けさせるべきだと思う。そこまでやるんだったら私は受け入れていいと思う。そこまでやる気がないのに、ちょっと人手がないからって軽く雇用するっていうのは絶対にやめた方がいい。それは日本人のためにならないし、彼らのためにならない。

結局、今の技能実習生って、言葉強いかもしれないけど、名前を変えた奴隷制度のような側面があるわけです。そんなことをやっていたら、いつかしっぺ返しあるよ、って感覚を日本人は失ってしまったのかって悲しく思う。

アジアの人たちと仲良くやっていこうよ、と。かつて日本もアジアを救うことを夢見たこともあるわけですから。アメリカやヨーロッパにいいようにされているアジアに対する想いが今でもあるのであれば、私は暖かく受け入れる体制を整えて協調するべき。人を使い捨てるんじゃなくて。

経済最優先ではなく、外国人の子ども達が教育を受けられないことで、反グレ化するっていうのを防がなきゃいけないことを考えた上での移民、という事ですよね。すごくわかります。私も教育が一番大事だと思います。日本人化してもらう、日本を好きになってもらう教育ってことですよね。

一方で、日本が好きで日本に来ている人もたくさんいるんだけれども、勉学のためのビザって労働時間・労働条件を制限されるので、ビザの関係で、結局生活が苦しくて日本が好きで来たのに日本を嫌いになって帰っていくんですよね。何てことやってるんだって思うわけです。せっかく日本が好きで日本語学びたいって人には、日本語を徹底的に学んでもらって、マンガやアニメだけじゃなくて、万葉集まで読んでもらって(笑)、本国に日本文化を持ち帰ってもらうっていうのが文化政策だと思うんです。

そうやって日本の心を世界に広げていくのが文化政策であって、クールジャパンっていうのは一時的な消費の話でしょ、と。そりゃジブリもポケモンもいいかもしれないけど、売上のことばかりを考えるのは本質的ではない。少し話はズレますが、平和な世界を作りたいと考えたときに、日本の果たす役割はものすごく大きいと思っています。そのための日本語の輸出をぜひ推進していくべきだと思う。この考え方が右翼なのか左翼なのかわからないけど、私はそんなことを昔から思っています。

日本の文化的価値を伝えていく

日本文化っていうのは、マンガとかアニメとかそういうことじゃなくて、日本の心だったり、文化を含めた発信というのをもっとしていくべき、ということですかね。

発信というべきか、土台というべきか・・・。やはり日本の文化の中で、アニメやマンガっていうのは木の幹の先端になっている果実に過ぎないんですよ。幹の部分、土壌の部分は何かっていうと、日本の気候や風土、日本語なんですよ。この豊かな自然がこんなに揃っている国ってないわけです。一方で地震もある、火山もある、厳しい自然もあるけれど、こんな豊かな自然で八百万の神様がいるってメンタリティの中で日本人って語彙をものすごく広げてきた。

自然と共生していくっていうような、いま流行りのサステナビリティな社会っていうのが、江戸時代にはもうすでに完成していたわけです。黒船来港によって打ち砕かれたし、確かに農家の次男坊や三男坊問題や、娘が身売りしたり、江戸に出て野垂れ死んだりしていたから、そういった点では現代社会のほうが進んでいるわけですが、やっぱり江戸時代っていうのは、私はやっぱり日本文明の一つの極致だと思うし、そういったメンタリティを広めるためにどうしたらいいかって考えたら、日本語輸出でしょ、と。

言い方としては「日本語輸出」なんですね?

うーん、日本語輸出というと文化帝国主義的なきらいがあるので、日本の心・・・。なんて伝えたら誤解がないかな。(笑)

私は一言でいうと文化の木って言っているんですよ。文化の木を育てていこうよって。文化は刈り取るものじゃない、ポケモンとかジブリとかは果実でしょ。それをイコール文化として有難がっているんじゃなくて、文化を育てていく、その土壌が何かといったらやっぱり自然と言葉ですよ。自然と言葉があって、初めて私たちは豊かな生活・文化・文明の基盤ができるんですよ。

言葉っていうと、日本語が他の言葉、例えば、英語や中国語と違う部分があるっていうことでしょうか?

これは日本語信仰でしょ、って言われたら私の信仰っていう他ないんですけど・・・(笑)

日本語には、自然の現象を言い表す物凄い語彙がある、同じ魚でも日本ではいろんな呼び方があるわけですよね。一方で、日本語で言ったら「牛」って言うけど、英語だといろんな言葉があるわけじゃないですか。食べるときは「beef」、乳牛として見ると「cow」なわけですよ。だから牛に関して英語のボキャブラリーが豊富なのは、やっぱり英語を話している人の歴史文化的に、牧歌的な領域ではものすごく文化として発達しているからです。日本は「牛」なんですよ。

言葉って文化なんだって、思わされますよね。日本というのは自然と共生する社会を実現してきていて、その実績が2000年あるわけなので、私はそこに価値がある、と思っています。

インボイスが抱える課題は消費税減税でほぼ解決できる

ありがとうございます。別の話題に移りますが、インボイスって一回盛り上がったけど、今回はもう争点になってないなと。インボイスの意義については一定理解はしているんですけど、インボイスによって経理の負荷がめちゃくちゃ増えて、税理士さんも大変な思いをしているっていうのがあって。DXとかでいろいろなことを効率化していこうっていう中で、そこだけすごく非効率で別のやり方はないのか、って感じています。

インボイスでは売上が1000万円っていうひとつの切り分けがあるんですけど、個人的には、売上1000万円以下のところに軽減減税があるとか補助金があるとか別のやり方でカバーできるんじゃないかって思っていたんですが、インボイスについてのお考えを教えてください。

私はインボイスの廃止っていうのはいまだ論点だと思っています。ただ、それは消費税5%に一律減税って中で解決しちゃうから特に言っていない。複数税率があるから負荷があるので。複数税率がなくなったらインボイスはそこまで大きい問題ではなくなります。確かにインボイスっていくつかの目的があるんですけど、インボイスを導入した経緯は明らかに複数税率なんで、複数税率を辞めたらインボイスの問題はほぼなくなるっていうのが今の制度理解です。

それでもインボイス必要だよね、将来的に複数税率で柔軟に、例えばコロナの時にヨーロッパの各国が機動的に一カ月単位で消費税率をがくっと下げていくっていうようなことが出来るようなったらいいなって私は思うんで、そういうことを目指していく時に私はインボイスのような制度準備が必要だと思っているんだけど、じゃあもっといいやりかたあったよねって、電子インボイスとかそういうのも海外にあるわけで、なんでそういうことやらなかったの?という想いはありますが、まず直ちにできることは消費税を5%下げて、わかりやすい税制にして、もうちょっといいやり方やっていこうよっていうのが、大きく目指す方向性だと考えています。

埼玉13区の有権者へのメッセージ

まずは消費税減税ですね、わかりました。ありがとうございます。そろそろお時間も差し迫ってきましたので、これで最後なんですけど、埼玉13区、また久喜の方々にメッセージを頂けますか?

私は、生まれは千葉です。この埼玉13区で生まれた者ではないんですが、東京からの距離としては、例えば杉戸もそうですね、ちょうど40km圏内。鉄道があって、都内から車窓を見ていると、大きなビルから住宅街が流れて、ふっとそれが途切れて田園がある風景なわけです。わたしの地元もまさにそうで、ふるさとの景色としてはものすごく似ている場所なんです。

一次産業、二次産業、三次産業なんなら四次産業、工業大学もあるし、有名な私立高校もいくつかあるわけですよね、この地域には。こういった産業バランスが非常に良いので、40万人都市は実現できるし、効率のいい行政とあったかい地域自治っていうのが両立できる田園都市にふさわしい場所だと思ってます。私は田園都市にしたいんです。田園都市にして私たちはここで生きていてよかった、と生きている喜び、自治に参画している喜びっていうのを感じられる地域にしたい。

もうちょっとネガティブな側面からいうと、どうせ選挙にいったってなにも変わらないでしょ、って思うような社会をやめたいんですよ。今半分ぐらいの人がそう思って選挙に行かないわけじゃないですか。

半分行かないわけですからね・・・。

そんなんじゃ通るべき政策も通らないし、どんどん政治の質は劣化していくし、私たちの生活も壊れていく。文化も弱っていく。でも本当は理想の政治をこの地域はできる!日本の縮図ですよね、海がないこと以外はなんでもあるんだから。(笑)

そういう先進的な田園都市をつくるモデルとなる場所だと思っているから、ぜひ私はそれをやりたい。まずは減税して、みなさんの手取りを増やして、その後はそういった街づくりを生涯かけてやりたいと思っているので、ぜひみんなでやっていきましょうと伝えたいです。

ありがとうございます。現在は久喜にお住まいなんですか?

ここから歩いて5分の所に住んでいます。(笑)

近いですね。(笑) 以上で取材を終わらせていただきます。改めて、選挙前のお忙しい時にお時間いただきありがとうございました!

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